国家公務員の労働時間、1日7時間45分に

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071231it03.htm?from=top

人事院の今回の対応は、民間企業と公務員の労働時間の差を解消するのが狙いだ。すでに各省に事情を聞き、労働時間を15分短くしても業務への支障は基本的にはないことを確認した。

名目上の労働時間を短縮しても、実際の労働時間が長時間のままでは、意味があるとは思えないですね。
例えば検察庁の場合、刑事訴訟法に基づいて一定の期間の間に結論を出し事件を処理しなければならない、という特殊性はありますが、特に、捜査に従事する職員の労働時間は、完全に法律の求めるところを逸脱しています。特に問題なのは、超過勤務しても、検察官はともかく、検察事務官に対し、超過勤務手当が100パーセントは支払われていないということでしょう。「予算がないから」で片付けられていますが、民間企業であればサービス残業として厳しく取り締まられるものが(検察庁自体が、取り締まる側であるにもかかわらず)、予算がないから仕方がない、で済まされてしまっていて、これで不満を持つな、というほうが無理と言うものです。他の省庁でも、大なり小なり、状況は変わらないでしょう。
先日、東京地検の元特捜部長と称する男がテレビに出て、豪華な調度品が並べられた部屋(多分、自分の事務所)で、防衛省汚職が越年捜査になっていることについて、自分が特捜部にいたころも正月を返上したことはあった、などと、へらへら笑いながら、さも当然のことのように言っていましたが、「一将功成って万骨枯る」という言葉を思い出しました。この男のような立場であれば、正月を返上しても、その後、栄耀栄華(というほどではないかもしれませんが)を極め退官後もおもしろおかしく暮らせるかもしれませんが、検察事務官のような立場では、その年の正月というのは、後にも先にもその時だけであり、正月を返上して良いことなど何もなく、気の毒だな、自分もあのまま検察庁にいたら、こういう無慈悲な上司に付き合って、貴重な人生を無駄にしていたんだろうな、と、つくづくと思いました。
忙しくて無理をせざるをえない場合もありますが(防衛省汚職捜査は、正にそういう場合でしょう)、そういう状況がある程度落ち着いたらきちんと休みが取れるようにして、本人だけでなく家族の精神衛生にも十分配慮する、ということが必要であり、人事院も、単に形式面だけでなく、実質面での考慮、配慮を十分行うべきでしょう。
知能犯捜査では、参考人の呼び出しなどにも支障が出かねないといった事情もあって、内偵はともかく、通常捜査が年末年始などにかかるのは避けるのが通常で、それだけに防衛省汚職に関する捜査は異例中の異例と言えます。そういった異例の捜査を行うだけの理由、必要性もそれなりにあるものと推察されますが、捜査員に多大な負担、犠牲を強い、その家族にも辛い思いをさせている、ということは、十分自覚して、今後のフォローをきちんと行うべきでしょう。>東京地検検事正