ネット業界、有害情報の対応助言 業者向けに相談窓口

http://www.asahi.com/business/update/1205/TKY200712040535.html

インターネット上の名誉棄損やわいせつ表現などの違法・有害情報について、業者からの相談を受け付ける窓口を、通信事業者とネット接続業者などの業界団体が設置することを決めた。個別の事例について削除すべきかどうかの判断を業者が迷うことが多いため、窓口で助言する。設置時期など細部は今後詰める。

私の場合、2000年9月から今年の3月まで、ヤフー株式会社に籍を置いて、何をやっていたかというと、主に、上記のような業務を担当していたわけで、現在も、インターネット利用者なら誰でも知っている、著名なサイトに関し、継続的にその種の業務に関わっています。
そういった経験から言うと、上記のような試みは、悪いことではありませんが、結局、単なる一般論に終わってしまい、真の意味での有益なアドバイスができないまま終わってしまう恐れがあるように思います。
明らかな誹謗中傷、明らかなプライバシー侵害、といったものは、相談を受けても明確なアドバイスができますが、そうではない、微妙な、判断に迷うような案件のほうがむしろ多く(だからこそ、誰かに相談したい、という話になるわけですが)、上記のような「窓口」程度で対応できるようなものなら苦労はなく、私のような業務を担当する弁護士を、わざわざヤフー株式会社が雇用する必要もなかったでしょう。
私自身、こういった業務を担当するようになって、通算で7年余りになりますが、当初に比べ習熟度は高くなり、判断の精度や速度はかなり上がっているものの、今でも、案件によっては、非常に微妙で判断に迷うことは少なくありません。
このエントリを読んで、私のところに次々と相談に来られても困りますが、やはり、日頃から、サービス運営者としてこの種の問題に対応できる態勢を整備し、必要に応じ弁護士等にも相談できるようにもしておいて、適正な運営を心がける、ということが必要ではないか、という気がします。