情報ネットワーク法学会・第7回研究大会

http://in-law.jp/

昨日、開かれた上記大会ですが、いつもながら、かなり勉強になり、忙しい中を新潟まで行った甲斐がありました。
特に良かったのは、東大の山口厚先生による基調講演「情報ネットワーク社会と刑法」で、約1時間の講演で、日本におけるサイバー犯罪に関する法制の変遷や判例の出現状況、その時々の問題点、現在及び今後の問題点などが、非常にわかりやすく紹介されていて、この講演を聞くことができただけでも、今回の研究大会に参加した意味があった、と思いました。講演内容は、できる限り細かくメモをとっておきましたが、雑誌等に掲載するなど、何らかの形でこの分野に関心を持つ人々の参考になるような紹介がされることが望ましいと思いました。
パネルディスカッションは、「違法・有害情報と匿名性」をテーマにしたほうに出て、会場から少しコメントもさせてもらいました。

http://d.hatena.ne.jp/gatonews/20071110/1194713433

でも紹介されているように、パネラーの立場の違いもあり、なかなか議論がかみ合わない面もありましたが、池田信夫先生の、自らの「被害」を憤然と語る姿が、この問題の深刻さ(池田先生自体の被害は、それほど深刻なものではないような気もしましたが)や、対応の難しさ、といったことを強く感じさせるものがあり、おもしろいパネルディスカッションになっていたように思いました。
終了後の懇親会では、初めて会う方も含め、いろいろな方とお話しましたが、上記のパネルディスカッションにもパネラーとして出ていた総務省・消費者行政課の石井課長補佐(初めてお会いしました)が、裁判所から出向中、とのことで、気楽に物事を言ったり書いたりしている私のようなしがない弁護士とは違い、さぞ気苦労も多いことであろうと推察され、国家国民のために是非頑張っていただきたいものだ、と思いました。