影響力大のポータルサイトに法律で責任付加の動き - 韓国

http://journal.mycom.co.jp/news/2007/07/31/025/

日本にいる我々としても、かなり注目すべき方向へ動きつつあるようです。

情報通信部によると、不法・わいせつコンテンツは、その大部分が検索とP2Pから流出しているものであるにも関わらず、現行の法律ではそのコンテンツを流布させた人のみを処罰対象としているため、事業者に対する責任は曖昧な状態であったという。
これに対して改正案では、ポータルサイトに不法情報の流通を遮断する人材を組織させ、不法情報を発見次第、即刻遮断するよう義務付ける予定だ。またP2Pサイトでは、ユーザーが不法コンテンツを共有しないよう、技術的措置を義務化させる。

このような法的義務が課されることになれば、ポータルサイト運営に参入できるのは、そういった義務を履行する能力を備える人や組織だけになり、独占までは行かないとしても、大手業者による寡占化が進むことは確実でしょう。P2Pにおける「義務化」を、どのようなレベルで行うのか不明ですが、あまりにも高いハードルを課せば、技術の進歩、発展を阻害することにもなりかねないと思います。
また、そこまでポータルサイトP2Pが法的義務でがんじがらめにされた状態におけるインターネットは、権力による管理下に置かれたものとして、インターネット本来の利点がかなり減殺されたものになってしまう恐れもあるのではないかと思います。
さらに、日本のように、捜査機関や裁判所に、サイト運営者やソフト開発者の刑事責任まで追及しようという意欲が極めて旺盛な国で、このような法的義務が導入されることになれば、それが、「作為義務」の根拠とされ、不作為の刑事責任が追及される範囲が飛躍的に拡大する、という事態になる可能性が大であると思います。「知りながら放置した」として、「インターネット浄化」の名の下に、ポータルサイト、ブログ、SNS等の運営者が、次々と摘発され、強制捜査の対象にもなる、ということが、現実のものになる日も遠くないのかもしれません。

ポータルサイトが検索語ランキングを故意に操作した場合には、3,000万ウォン(約388万)以下の過怠料を付加するほか、1日の平均ユニークユーザーが10万人を超えるポータルサイトの場合は、ランキング操作を防止する技術を導入するよう促す。

「故意に操作」の内容にもよりますが、法律で、こういったところまで介入して良いのか、検索サイト運営者側の表現の自由等に対する侵害にならないか、といった視点は、やはり必要ではないかと思います。

同改定案は8月1日に開催される公聴会で一般の人たちからの意見を集めた後、関係部署などと協議して国会に提出される予定だ。

これが、このまま改正へと至るのか、何らかの修正が加えられるのか、目が離せないという気がします。