「機長が語るヒューマン・エラーの真実」

機長が語るヒューマン・エラーの真実 [ソフトバンク新書]

機長が語るヒューマン・エラーの真実 [ソフトバンク新書]

海外へ行く途中の機内で読みました。飛行機の中で読むと、気分が乗って読めるのではないかと思っていましたが、やはり、身が入って読めました。
過去に発生した航空機事故について、パイロットの視点から丁寧に分析、検討が加えられるなど、新書ながら中身が濃く読み応えがある1冊でした。
日本では、自動車事故をはじめとして、刑事面でも過失責任が厳しく追及され、航空機事故も例外ではありませんが、事故再発防止を最優先させるのが航空機事故の世界的な潮流です。その場合、航空機事故だけ特別扱いするのも問題と思われ、他の自動車事故等の責任との均衡ということを考える必要が生じるでしょう。
この分野における日本の傾向は、厳罰化一辺倒という面がありますが、民事、刑事両面でのバランスの取れた責任追及の在り方、責任追及と再発防止との整合性、といったことを総合的に検討する必要性を感じます。