昭和天皇:英国機密文書に“肉声”「日中事変で深い懸念」

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070524k0000e040001000c.html

天皇は「日中事変で日英関係が急速に悪化していることに、私は深い懸念を持っている」「かつての良好な日英関係に戻すのを心から願っている」などと明かしたうえで、「どうか、大使も力を貸してほしい」と要請。大使が「良好な日英関係を築く唯一の基盤は、中国を敵ではなく友人とすることです」と応えると、天皇は「その方向に、すべての努力を傾けなければならない」と語ったことが記されている。

昭和天皇の真意が出ているものと思われ、こうして読んでみると、非常に興味深いものがあります。英国大使に対し、ここまで率直に語る昭和天皇の対英観という意味でも興味深いと思います。

37年9月24日の英国外務省報告文書では、日本の政治システムを「天皇を取り巻くアドバイザーが(略)日本の政策を決定していく」と分析。そのうえで、天皇の性格を「周囲の人間の操り人形とならないためには強い個性が求められるが、今の天皇はそれを持ち合わせていない」「弟の秩父宮のように自由を与えられず、自分の意見を形成する機会を持てなかった」と記している。

この点も、興味深いですね。昭和天皇としては、自らの立憲君主としての考え方、自制、といったことも理解してほしかった、というところでしょうか。
上記のような見方が、戦後のGHQによる占領政策天皇制に対する対処等に、どのように影響したか、といったことも、今後、研究され深められると、ますます興味深いように思います。