村上ファンド事件論告要旨 検察側

http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2007051101000332_Detail.html

大量買い集めは2004年9月15日、LDが05年3月までに行うニッポン放送株の5%以上の大量買い集めの実現を意図して決定した。その際の会議について、村上被告はLDに大量買い集めを勧めた記憶はないとしているが、LD側と村上ファンド側で交わされたメールは一貫してLDによる経営権取得を前提とし、信用できない。

本ブログで以前にもコメントしたように、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070412#1176335793
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070327#1174954500

あくまで印象として受ける本件の「筋」としては、検察官のほうに分があるな、と思っています。その上で、筋を裏付けているのが、上記のような「メール」でしょう。裁判所が検察ストーリーを支持する場合、メールがその重要な根拠になるはずです。
論告要旨では、

村上被告は自らの刑事責任を免れるため、不自然・不合理な弁解に終始し、反省の情は皆無だ。順法精神が欠如しており、再犯の恐れが大きい。専門知識・経験を悪用し巨額な不正利益を獲得しようとする者に警鐘を鳴らす一般予防の見地からも厳重な処罰が必要だ。

とされていますが、有罪判決となった場合、村上被告人が実刑に処せられる可能性ということも、かなり現実的な問題として出てくるように思います。裁判所が、堀江、宮内被告人の実刑判決に見られるように、この種の犯罪の社会的影響や多数の人々に多大な被害を及ぼすという悪質性等を重視し、「一罰百戒」の見地から実刑も選択する、という状況下において、「全面否認」という選択をした村上被告人に対し、その選択が裏目に出てしまった場合、かなり深刻な結果となって跳ね返ってくる可能性はあるでしょう。