宮内被告に実刑=熊谷被告ら3人は猶予付き有罪−ライブドア事件・東京地裁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070322-00000041-jij-soci

小坂裁判長は前社長堀江貴文被告(34)=懲役2年6月、控訴=の判決で、宮内被告が事件の大部分を計画、実行したと指摘していた。同被告は起訴事実を大筋で認めており、実刑とするか執行猶予にするかが焦点だった。

先日の堀江被告人に対する実刑判決に関し、本ブログでも、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070317#1174061816

かなり厳しいものがある、という意味では、宮内被告人も同様では、という印象を受けました。というのは、

堀江被告実刑判決理由の要旨
http://www.asahi.com/national/update/0316/TKY200703160215.html

によると、裁判所は、

「LDMにおける架空売り上げの計上以外の点については、いずれも宮内が中心となって計画、実行したもので、検察官が主張するように被告が最高責任者として各犯行を主導したとまでは認められないことなど、被告のために斟酌(しんしゃく)すべき事情を最大限に考慮しても、実刑をもって臨まざるを得ない。」

と述べ、検察庁が描いた構図よりも、宮内被告人の地位や役割を重く見ていることがわかります。判決では、「宮内らがライブドア株を売却して得た金員の一部を個人的に費消したことが強く疑われる状況にはある。」といったことも指摘されていて、宮内被告人については、検察庁に協力したので、当然、執行猶予付き判決、と裁判所が簡単に考えてくれるとは限らないかもしれません。


とコメントしましたが、案の定、実刑判決でしたね。
検察庁と宮内被告人の間に、弁護人が強く主張するような「黙契」まではなかったとしても、宮内被告人側に、検察庁に協力することによって寛大な刑にしてもらえる、間違っても実刑にはならない、という強い期待が存在した可能性は高いでしょう。
その期待が、裁判所によって見事に裏切られてしまったということになると、検察庁としては、今後の、特に堀江被告人の公判維持上、いつ爆発するか、どれくらいの威力があるかわからない時限爆弾を抱えてしまった、という面はあると思います。逆に、堀江被告人の弁護団としては、この実刑判決が、検察庁側についてしまっていた宮内被告人を自分達の側に引き込み、一種の「死に体」状態から奇跡的に挽回を図る、1つの手掛かりになりうる、ということも言えると思います。