滝井繁男・元最高裁判事インタビュー(平成19年1月24日・朝日新聞朝刊)

http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20070125/p1
http://imak.exblog.jp/5036922/

でも取り上げられていましたが、先程、じっくりと読んでみました。
私自身、元々、検察庁にいて、刑事事件に対する関心が高いということもあり、滝井氏が語る中の、刑事事件について、

最高裁判事が事実認定を取り上げ、有罪破棄の結論を出すのは、今の仕事量では困難だ。膨大な記録と長時間、格闘しなければならない

などと、最高裁が、徹底的に審理しきれていない実情を率直に吐露している部分は、深刻な問題だと感じました。
地裁の裁判官はいろいろな点で未熟、高裁の裁判官は有罪判決を書きすぎて検察べったり、といった場合に、許されざる有罪判決を破棄し不正義を防止する最後の安全弁は最高裁しかなく、その最高裁が、滝井氏が語るような状態では、正義はどこに求めれば良いのか、ということになるでしょう。
単に、最高裁を責めるのではなく、事件数や仕事量に対し、人員が追いついていない実態がある以上、特に刑事事件については、抜本的な組織改革(例えば、通常の刑事事件を取り扱う最高裁判事の人数を増やし、現行の最高裁判事に該当する人々は憲法問題や重要な法律問題のある事件に専念するなど)ということも、真剣に検討される必要があると思います。