ISPよ、ネットワーク・ セキュリティの主役たれ

http://www.ciojp.com/contents/?id=00003423;t=0

やや長い記事ですが、問題点を鋭く突いていて、参考になります。

裁判の冒頭で原告側は、「ISPは加入者のPCのスキャンやトラフィックの監視、不審なネットワーク利用の停止といったことを行える立場にあり、セキュリティを大幅に向上させることができる」と主張した。これに対して被告側は、「悪意あるトラフィックと正当な電子メールとを区別することはできない。仮に厳密にスキャンを行ったとしたら、ユーザーのプライバシーを侵害することになってしまう」と反論した。
その後、それぞれの立場から、激しい論争が戦わされた。原告側が、セキュリティの強化に頑として応じないISPを「地雷が埋め込まれた土地を持っているにもかかわらず、立ち入り禁止のフェンスを買わない不動産オーナー」になぞらえると、すかさず被告側は、「人々は地雷が埋め込まれた土地には近づくべきではなく、安全についての責任は全面的に個人にある」とやり返すといった具合だ。

上記は、ISPとユーザの間の模擬裁判でのやり取り、ということですが、この問題の本質を突いている、と言えるでしょう。
こういった争い、対立は、日本でも、米国と同一ではないものの、既に何年も前から似たような形で生じている、と言ってよいと思います。
上記のような対立軸で、インターネット上の議論を見ると、誰がどういう立場からものを言っているか、ということが際立ち、興味深いでしょう。誰がどの立場、ということは、敢えて触れないでおきます。
こういった対立、争いは、今後も続き、沈静化することは、おそらくないでしょう。私自身も、出てこない答えを探し求めながら、細く長い道のりを、とぼとぼと歩いて行くことになると思います。