「やりなれた稼業しかなく」 窃盗未遂容疑で77歳逮捕

http://www.asahi.com/national/update/1105/NGY200611050016.html

容疑者は窃盗など数十の前科があり、先月、刑務所を出所したばかり。所持金は2433円だった。調べに対し容疑を認め、「人生の大半を刑務所で過ごした。働くところもなく金もなく、困っていた。やりなれた泥棒稼業しかなかった」などと話しているという。

昔、司法試験の刑事政策で、頻回受刑者の処遇について問う問題が出題され、「頻回受刑者」という耳慣れない言葉に受験生の多くがとまどった、という話を聞いたことがありますが、上記の被疑者は、正に頻回受刑者そのものと言えるでしょう。
こういった人々に対する処遇をどうするかは、なかなか名案がない難問で、私も、死ぬまで、答えが得られないことを知りつつ、答えを求めて勉強を続けるでしょう。
先日、英国へ見学に行って良い刺激を受け、刑事政策に関する本や犯罪白書などを引っ張り出し、仕事の合間に少しずつ読んでいますが、刑事政策という学問は、非常にやりがいがあっておもしろいと、改めて感じています。これを新司法試験の選択科目に入れなかったのは、やはり失敗だったと思います。