地検事務官が借金で仕事できずに書類隠す

http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20061031-111119.html

横浜地検の男性検察事務官(31)が詐欺や窃盗事件の捜査書類約240点を自宅や職場のロッカーに隠し、うち約50点を裁断機にかけていたとして、同地検は31日、停職1カ月の懲戒処分とした。事務官は同日付で退職した。
地検によると、事務官は「多額の借金で仕事に集中できず、やった」と話したという。地検は、公文書棄損容疑については起訴猶予としたが、監督責任として上司の検察官らの処分を検討している。
事務官は川崎支部に勤務していた2004年3月から地検に異動後の今年10月にかけ、警察が作成した犯行現場の地図や写真撮影報告書などの書類を隠したり、裁断機で処分したりした。山舗弥一郎次席検事は「公判などに影響はなかった」としている。

これほどのことをやっていながら、刑事処分は起訴猶予、懲戒処分は単に1か月の停職とは、何とも温情あふれる検察庁ですね。こういった温情を、身内だけでなく、一般の被疑者や被告人にも、是非、かけていただきたいものです。無理だと思いますが。
「多額の借金で仕事に集中できず、やった」という、不自然、不合理な弁解を、徹底的に追及した形跡も見られませんが、身内に対して追及しないものを、公判などでしつこく追及して、論告で、「不自然、不合理な弁解を繰り返し」などと大声で読み上げ、求刑を重くしたりすることについても、多少は「恥ずかしい」という意識を持ったほうがよいでしょう。
身内に大甘な取り扱いをすると、しがない弁護士のブログ程度で、こんなことを言われてしまう、ということを、よく覚えておいたほうがよいでしょう。こういったことが、徐々に、人々の規範意識を弛緩させ、ダムが決壊するように、法秩序の崩壊へとつながって行く、ということを、最も危惧すべきであるのが検察庁だと私は思いますが。

「前歴」判断 酒気帯び運転、弁護士を起訴 大阪地検
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200610200037.html

で、「酒気帯び運転は罰金刑となるケースが多いが、最近の飲酒運転に厳しい社会的風潮、弁護士の社会的責任を踏まえて判断した」と、大変ご立派なことを言うのであれば(これはこれとして決して間違ってはいないと私は思います)、「検察庁職員の社会的責任」ということも真面目に考える必要があるでしょう。