ロンドンにおける見学(4日目)

4日目(木曜日)。ロンドンから列車で2時間余りの都市にある刑務所を見学しました。英国の刑務所の中でも、特に重警備の刑務所ということで、入口で、非常に厳重なボディーチェックを受けました。刑務所長であっても、例外なく同様のボディーチェックを受けているとのことでした。受刑者の場合、入所時に指紋を登録し、個人データをデータベースで管理して、出所時には指紋により本人確認の上、データベース上のデータは消去している、とのことでした。
担当職員から説明を受けた後、刑務所内を見て回りましたが、建物にはかなり古いものもあるものの、清潔感があり、コンピュータ関係の各種技能訓練、床掃除、壁塗りなどの訓練を受けている受刑者がいて、出所後の就職へ向け、かなり実戦的な職業訓練が行われていると感じました。しかし、それでも、出所時に就職先が決まっている者はわずかである、とのことでした。
体育館や、各種トレーニングができる器具も備え付けられたジムも設置されていて、日本の一般的な刑務所よりは、施設面での充実度が高いように思いました。受刑者が収容されている房の内部も見ましたが、広くも狭くもないという感じではあるものの、やはり、清潔感はあり不快な印象は受けませんでした。
印象的だったのは、受刑者の表情が総じて明るく、案内してくれた担当官と受刑者が、笑顔で言葉を交わしたりしていたことで、息苦しくなるような日本の刑務所とはかなりの違いを感じました。
バージンの運行している列車でロンドンから往復したのですが、帰りに、刑務所側の手違いで、駅まで送ってもらうのが遅れてしまい、ホームへ駆け込んだところ、目の前を発車した列車がゆっくりと出て行くところでした。英国の列車は、よく遅れるようですが、バージンは、航空機だけでなく列車でも時間に厳しい、ということが実感されました。乗り遅れましたが、持っていたチケットで追加負担なく後の列車に乗ることができ、無事、ロンドンに帰着しました。