警察庁、ひき逃げ厳罰化を検討

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060912AT1G1201412092006.html

警察庁によると、昨年1年間のひき逃げ事件は1万9660件にのぼり、過去10年間で3倍近くになっている。ひき逃げの法定刑は現在、5年以下の懲役または50万円以下の罰金。業務上過失致死罪と併合すると懲役は最高7年6月になるが、危険運転致死罪の最高刑は懲役20年になる。
ひき逃げの多くは飲酒運転の発覚や危険運転致死罪の適用を逃れるために現場から逃走しているとみられ、酔いを覚ましてから出頭するケースが多発している。福岡市で幼児3人が死亡した車両転落事件では、現場から離れた容疑者が大量の水を飲んで、アルコール濃度を下げようとしたことが分かっている。

危険運転致死傷罪の法定刑と、従来の業務上過失致死傷罪の法定刑に、あまりにも差がありすぎますね。両者の境目に位置するようなグレーな事件は、ちょっとした立証の可否により、懲役20年まで行くか、懲役7年6月止まりかが分かれることになり、一か八か逃げてしまえ、という者が激増しているのでしょう。立法技術の稚拙さが、こういった事態を招いたと思います。
業務上過失致死傷の法定刑は変えないまでも、飲酒、無免許、ひき逃げ、その他の危険運転(構成要件上、明確化して)を伴えば、併合罪加重した刑の3倍まで刑が科せる(懲役20年まで科せることになるでしょう)ようにすれば、悪質な運転者を十分処罰でき、抑止効果も期待できると思います。