拓銀元頭取ら逆転有罪 まさか実刑とは 元行員ら「責任は昔の経営陣」

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20060831/20060831_048.shtml

破たんの本当の責任を問うなら、本来は、たとえ時効であっても2人より以前の経営陣が裁かれるべきだった

私は、東京地検に在籍していた平成8年当時、特捜部に応援で出されて、旧住専絡みの融資の中で立件できるものがないかどうか、連日連夜、段ボールから資料を出しては検討していた時期がありました。その時、強く感じたのは、非常に問題のある、事件性の高い大規模融資は、昭和の終わりから平成の初めころまでに行われていて、その後の融資は、当初の融資の借り換えだったり、あるいは、規模が小さかったりして、いまひとつ立件にはなじまないものがほとんどだったという記憶があります。
実刑に処せられた元頭取らの責任も、決して小さくはないとは思いますが、より責任が重い者は、時効の壁の彼方へ逃げ去ってしまい、多額の退職金を手にし、安楽な生活を送る一方、金融機関を破綻させないために無理をして失敗してしまった者が、槍玉に挙げられ厳しくその責任を問われるという構図は、不公平という印象を拭いきれません。
上記記事の判決にあたっても、このような事情を考慮して、執行猶予を付するという選択肢もあったかもしれない、という気がします。