接見3分だけ、国に賠償命令…東京地裁判決

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060829ic03.htm

判決によると、弁護士は昨年10月、恐喝などの罪で起訴された男性被告と公判の打ち合わせをするため接見に行った。午前11時半までに受け付けを済ませたが、被告が接見室に連れて来られたのは午前11時57分ごろで、正午までの約3分間しか接見できなかった。

私を含め、似たような経験をしたことがある弁護士は多いでしょう。東京拘置所の職員の頭の中や行動原理は、「自分達の都合で他人を待たせたり、身柄の連行が遅れるのは、無限定にやむをえないが、自分達の決めた時間割には、他人はつべこべ言わず厳格に従うべきだ」という、中世の絶対君主のようなものであり、上記の案件のように、遅れるだけ遅れて連行し、接見が始まっても、正午になると、「はい、時間です、終了」と言って、接見途中の被告人を引きずってでも連れて行ってしまいます。
大阪拘置所の職員による事件に見られるように、賄賂をとったりすることについては要領が良いようですが、仕事の要領は悪い職員が多いようでもあり、起きるべくして起きた事件、と言えるでしょう。
この種の出来事があった場合は、被害にあった弁護士が次々と国賠訴訟を起こす、というのも、一計かもしれません。
口を開けば、過剰収容だ、人手不足だ、などと、つべこべ言っているようですが、例えば、いつまでも紙とファックスを使ってもたもたと連絡を取り合うのはやめ、接見で連行する被告人についてはインスタントメッセンジャーでも使って迅速に連絡を取り合うとか、業務を合理化する方法はいくらでもあるでしょう。工夫のない人や組織に進歩も未来もない、ということだと思います。