『主目標』は飛行機工場だが…米軍資料から見る B29東京初空襲の意図

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060813/mng_____tokuho__000.shtml

最初はハンセル司令官が精密爆撃を進めたが、効果が上がらず、四五年一月に交代したルメイ司令官が無差別爆撃を本格化したというのがこれまでの定説。

東京大空襲・戦災資料センター」館長の作家、早乙女勝元氏も「無差別爆撃の意図がルメイの登場前から米政府にあったことに衝撃を受けた。第一目標の中島飛行機は名目だけで、本命はむしろ第二目標の住民攻撃だったのではないか」とみる。

これに対し、軍事評論家の熊谷直氏は「江東デルタ地帯について、アメリカは『航空機の家内産業がある軍事工業地帯で、無差別爆撃ではなかった』と戦後も言い続けている。ある程度はそういうものもあったと思うし、全くうそではない。イラクレバノンでもそうだが、航空攻撃で、周りに一般住民が住んでいるかどうかを見分けるのは無理」とし、第二目標はあくまで工業施設を狙う目的で選定されたとみる。

上記の「定説」は、戦史関係の書籍によく書かれていますが、米軍としては東京大空襲の際の攻撃目標も、元々、攻撃目標にはしていて、一般市民がいかに犠牲になってもよい、として、なりふり構わず攻撃してきたのが東京大空襲だったのではないか、という印象を受けます。都市爆撃で、軍事施設だけを攻撃し、他には一切被害を及ぼさない、という、器用なことは元々無理でもありますから、精密爆撃か無差別爆撃か、の2者択一というよりも、一般市民がいくら犠牲になってもよい、という割り切りが、どこかの時点で行われた、というのが真相ではないかと思います。
広島・長崎原爆投下や、その後も続く、こういった米軍の残虐性が、世界各地で米国に対する多大な反発を生み、アルカイダによるテロ行為にもつながっている、という側面も、見逃すべきではないでしょう。