客室乗務員の最期の手帳

NHKニュースで、21年前の日航ジャンボ機墜落事故の際、客室乗務員が、不時着時に備えてアナウンス内容をメモしていた手帳が紹介されていました。

http://www.nikkei.co.jp/news/past/photo24/honbun.cfm?i=SSXKB0227+10072006&g=IM&d=20060710

で、手前に映っている、ケース入りの手帳がそれです(このエントリーの関係で、画像を引用しておきます)。
亡くなった客室乗務員のお父さんが、遺影の前でインタビューに答え、大切な形見の手帳を啓発センターへ提供することが身を切られるように辛いこと、生還のため必死に努力した他の乗務員の中で突出して目立ってしまわないか、それでは申し訳ないという気持ちもあったこと、それでも、安全のために役に立てば、という思いから提供を決意した経緯を、淡々と語っていて、心打たれるものがありました。
特に印象的だったのは、この手帳には、親や家族へのメッセージは何もなく、ただひたすら、乗客を安全に脱出させるためのメモしか書かれていなかった、ということでした。職を全うし職に殉じる、という真の姿を見たように思いました。
21年後のこの日を迎え、改めて、事故でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りしたいと思います。