http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060727-00000004-mai-soci
元秘書官は「田中邸に運んだ後の5億円の処理は知らないが、参院選で私がお届けしただけでかなりの金額になる。5億円もこれらの中にミックスされ消えてしまったのではないか」と供述。参院選候補者への配布一覧表を作成して「私の記憶が不確かな部分はあえて記載しませんでした」と念押ししたという。
一覧表は(1)氏名(2)授受時期(3)金額(4)授受場所(5)備考――の順に記され、当時の全国区10人、地方区16人の候補者名が書かれていたという。授受の時期は73年11月〜74年3月で、金額はほぼ一律2000万円。授受場所は田中元首相の事務所があった砂防会館が多く、議員会館や個人事務所もあったとされる。
26人には田中派だけでなく他派閥や無派閥も含まれ、国会で「嘱託尋問は違法」と述べた閣僚経験者(故人)や、否認に転じた榎本元秘書官の5億円授受時の「アリバイ」を法廷で証言した閣僚経験者もいた。しかし、後に「参院のドン」と呼ばれた1人を除き、党や政権の中枢を担った候補者はいなかった。榎本元秘書官は「選挙に弱い候補に配った。自派議員は砂防会館で元首相が渡し、他派閥には自分が届け、相手の秘書を介することは絶対になかった」と供述したという。
この点について、昔、ロッキード事件の公判を担当した検事に、聞いてみたことがありますが、「参議院選挙に絡んで使われた、とも言われているよね」などと、曖昧な答えしか得られなかったことを覚えています。
特捜事件では、公判提出用の「表」調書とは別に、公判には提出しない、あるいは、万が一の場合に備えて「抱いておく」ための、「裏」調書が作成される場合があります。
過去に、本来は裏調書のはずのものが、なぜか、公判で出てしまった、大騒ぎになった、という実例もあります(いつの、どの事件だったかは、敢えて言いませんが)。
上記の榎本調書も、一種の裏調書として作成され、結局、公判では日の目を見ないままに終わったのでしょう。
なぜ、今になって、このような話が出てくるのか、その経緯にも興味があります。