「つらかったのでは」嘆願書1500通 奈良放火殺人

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200607080094.html

児童虐待事件が頻発していますが、悪質な児童虐待事件でも、その多くで、被疑者は、「しつけのためだった」などと弁解するものです。
児童虐待の防止等に関する法律でも、児童虐待について、

第二条 
この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。
一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

とされていて、「懲戒権」なるものが、特に有形力の行使については、著しく制限されている(当然のことですが)ことは明らかです。
同法には、

第十四条 
1 児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、その適切な行使に配慮しなければならない。
2 児童の親権を行う者は、児童虐待に係る暴行罪、傷害罪その他の犯罪について、当該児童の親権を行う者であることを理由として、その責めを免れることはない

という規定もあります。
この種の問題について、「独自の見解」を持つのは自由ですが、児童虐待の防止等に関する法律は、警察を含む公的機関が、適切に介入することによって、児童虐待を防止しようという考え方に基づいており、介入の中には、捜査機関による刑事事件としての捜査も含まれている、ということを、知らない人は覚えておいたほうがよいでしょう。