99年久留米の店舗「失火」 「店関係者が放火」認定 福岡高裁 保険金請求を棄却

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20060629/20060629_018.shtml

出火原因について、久留米市消防本部の火災調査書は、店内の和室にあったストーブから約60センチ離れた位置でバスタオルを積み重ねて乾かしていたところ、タオルの束が倒れてストーブの熱で着火したと推定。「失火」と判定していた。
1、2審を通じて、裁判は(1)こうした原因で本当に着火するか(2)和室の畳から検出された灯油は故意による散布か―が主な争点となっていた。
経営者側は「ストーブを消し忘れ約2時間留守にした間に着火した。畳の灯油も火災の3日ほど前に誤ってこぼしたもの」と主張。保険会社側は放火を主張していた。
控訴審判決は、タオルの束がストーブ側に倒れた状態で2時間半、熱が当たっても、着火する可能性は極めて低い―などとする鑑定結果から「むしろ放火による火災と認められる」と認定。
畳の灯油についても、「多数の火源が散布されたように存在し、短時間で壁や床の大部分を燃やしたとみるのが相当」と故意性を認めた。その上で、火災時に店は施錠され、鍵の所有者は数人の店舗関係者に限られることなどから、「店舗関係者が放火したと認めるのが相当」と判断した。

あくまで記事を見る限り、ですが、控訴審判決は、事実認定として、かなり手堅い手法をとっているという印象を受けますね。
鑑定という中立・客観的な証拠を基本とし、現場の状況を総合的に見ているという印象を受けました。
刑事事件にまで発展しない放火事件というのは、かなり多いはずです。火災により証拠が消失してしまうという性質を持つ放火は、それだけ立証が難しい事件である、ということでしょう。