容疑者に「共犯の名言うな」=接見弁護士を業務停止−大阪

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060626-00000077-jij-soci

ボツネタ経由で知りました。

弁護士は2004年12月、知人女性から依頼され、弁護人になるふりをして詐欺未遂容疑で逮捕された男性と接見。男性と共謀関係にあったこの女性が書いたメモを見せ、共犯者の名前を警察に黙秘するよう指示した。

これだけでは、何が懲戒理由となったのか、いまひとつよくわかりませんが、「弁護人になるふり」が、まず問題になったのでしょうか。「弁護人となろうとする」という意思がなければ、接見できないはず、ということになりますから、「ふりをして」接見した、ということになれば、接見できないはずなのに接見した、という認定を受ける可能性があります。
おそらく、本件では、上記のような点に加え、共犯者による一種の罪証隠滅行為に加担した、ということも、懲戒理由になっているのではないか、と思われます。黙秘するかどうかは、あくまで供述者本人が主体的に決めるべきことであり、弁護人となろうとする者でもないものが、共犯者からの指示により、共犯者について黙秘するよう指示すること自体が、弁護士としての非行に該当する、ということなのでしょう。
ただ、弁護人となろうとする者かどうか、については、状況によっては、迷いつつ接見する、ということもあり、弁護権というものを保障する、という観点も常に持っておかないと、弁護士会による懲戒処分が正当な弁護活動を不自由にする、ということにもなりかねず、やや危惧を覚えるのも事実です。