検察側「堀江前社長が主導」 ライブドア事件初公判

http://www.sankei.co.jp/news/060526/sha111.htm

弁護側はこれまでに開示された証拠と冒頭陳述の内容が大きく食い違っているとして、検察側証拠に対する意見を次回公判以降に持ち越した。

現在も同じ呼び方をしているかどうかはわかりませんが、私が東京地検公判部に在籍していた当時は、事件の重要度によって、「主要事件」「準主要事件」に指定されるものがあって、そういう事件では、冒頭陳述も、公判前に部内の決裁を受ける必要がありました。必要に応じ、次席検事、検事正や、高検、最高検の決裁も受けていたと思います。
そういう際、主任検事として困るのは、証拠を直接見ていない「偉い人」が、「ここはこうなっているはずだ」などと、自分の印象をもとに「加筆」してしまったり、「ここはこうなっているはずがない」などと、一種の思い込みで削除してしまったり、ということです。きちんとした人は、証拠にあたってから加筆訂正等を行いますが、「偉く」なればなるほど、自尊心と横着度、思い込みの激しさが増し、「暴走」してしまう人もいて、そういったおかしな経緯で出来上がってしまった冒頭陳述が、そのまま出てしまうと、裁判所や弁護人から疑問視される、ということも起きる可能性があります。
ライブドア事件で、まさかそんなことはないと思いますが、そういう悪い思い出が、このニュースを見て蘇ってきました。