郵便法に違反して「信書」をメール便で送る(?)六本木ヒルズクラブ

郵便法では、

第5条 (事業の独占)
1  公社以外の者は、何人も、郵便の業務を業とし、また、公社の行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならない。ただし、公社が、契約により公社のため郵便の業務の一部を行わせることを妨げない。
2  公社(契約により公社のため郵便の業務の一部を行う者を含む。)以外の者は、何人も、他人の信書(特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書をいう。以下同じ。)の送達を業としてはならない。二以上の人又は法人に雇用され、これらの人又は法人の信書の送達を継続して行う者は、他人の信書の送達を業とする者とみなす。
3  運送営業者、その代表者又はその代理人その他の従業者は、その運送方法により他人のために信書の送達をしてはならない。但し、貨物に添附する無封の添状又は送状は、この限りでない。
4  何人も、第二項の規定に違反して信書の送達を業とする者に信書の送達を委託し、又は前項に掲げる者に信書(同項但書に掲げるものを除く。)の送達を委託してはならない。

と定められ、罰則として、

第76条 (事業の独占を乱す罪)
1  第五条の規定に違反した者は、これを三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
2  前項の場合において、金銭物品を収得したときは、これを没収する。既に消費し、又は譲渡したときは、その価額を追徴す。
3  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第一項の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても同項の罰金刑を科する。

とされています。
ここで言う「信書」の定義について、総務省は、

http://www.hokuriku-bt.go.jp/shinshobin/definitions.html

と説明しています。解釈により、信書かどうか不明なものもありますが、明らかに信書であるものについてメール便を利用すれば、郵便法違反になることは明白でしょう。
例えば、クロネコメール便約款

http://www.kuronekoyamato.co.jp/yakkan/pdf/y_07_mail.pdf

を見ても、11条で、信書は引き受けられないと明示しています(当然ですが)。
こういった、業務の独占を、今後、どうするかについては、いろいろな議論がありますが(下記のような信書便法で若干緩和されています)、現行の法律で、規制がかかっている以上、当然、守られるべきものです。
ところが、六本木ヒルズクラブでは、何でもかんでもメール便を使って会員に送付する、ということを行っていた結果、今年2月以降、転居した私のもとに、特定の私宛の文書(正に「信書」ですが)を含め、何も届かなくなってしまいました。
私自身は、多数の住所変更届をあちらこちらに出していて、もれているものは、郵便局へ転居届を出しているので、転送されることにより判明する都度、追加で出していましたが、メール便ではそうも行かず、また、「信書」であれば郵便局経由で転送されずはずなので転居届を出しておけば転送されるという私の信頼は完全に裏切られてしまったことになります。
郵便法第5条第4項で、信書の送達を委託することも禁止され、第76条で、委託した者や、その者の所属する法人等も処罰する、とされています。
最近は、信書便法により、許可を受けた信書便事業者がこの種の業務を行える場合もありますが、総務省関東総合通信局が公開している信書便事業者

http://www.kanto-bt.go.jp/com/shinsho/jigyosha/index.html

に、六本木ヒルズクラブからの郵便物を配送していた業者として見覚えのあるものはなく(そもそも特定信書便事業者しかいない現状で、信書便法が定める役務の種類に、六本木ヒルズクラブが発送する郵便物が全然見合わないでしょう)、信書を取り扱えないはずの業者に、日常的に信書の送達を委託していた疑いが強いでしょう。
今後も同様のことが続くようであれば、刑事告発も含め検討しようかと思案しているところです。