「速記の技見直して」 議会など、機器導入で人数激減

http://www.asahi.com/national/update/0417/TKY200604160141.html

地裁などでは速記官が年々減っている。最高裁が98年度、速記官の新規養成を中止したためだ。9年前の935人から今年度は325人に激減。速記官減少には、「テープ起こし」の外部委託などで対応している。

検事をやっていた当時は、証人尋問の細部により、検察官調書の採否が分かれたり、公訴事実の重要部分の認定が左右される、といったことが起きかねない、ということを常に考えていて、特に、公判に立ち会っている時は、かなり神経をすり減らす日々でした。今でも、証人尋問に神経を使うことには変わりありませんが、検事の負担の重さには格段のものがあると思います。
そういう経験を踏まえて言うと、目の前で、速記官が速記をとってくれている、というのは、大変心強かったものでした。後からテープで聞いたのではよくわからない部分、誤解しかねない部分も、目の前で速記をとることにより、かなり間違いが避けられると思いますし、外部委託でテープを起こしてもらうことではカバーしきれない部分に、訴訟の帰趨を左右する重要なものが含まれている可能性も、かなりあるような気がします。
昔、速記官から、一人前になるまでの多大な苦労を聞いたこともあり、司法試験合格のための苦労以上だな、と思ったことがありますが、その重要性にかんがみ、安易に廃止してしまうのではなく、重要な部分では着実に投入できるよう、養成を続ける必要性を痛感します。