「人を動かす」

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

非常に著名な、カーネギーの名著です。昔々読んで、最近、書店に並んでいたので懐かしくなって購入し、読みたいな、と思っていたところ、某SNSで、知人の弁護士が秘書と接し活用する難しさを語っているのを目にして、この本のことを思い出しました。
いろいろなエピソードが満載で、非常に為になる本なのですが、私が、最も印象に残っているのは、リンカーン大統領が、なかなか思うように動かない北軍の司令官を厳しく叱責する手紙を書いたものの、送ることなく、死後、所持品から発見された、というエピソードです。奴隷を解放し、南北戦争に勝利して米国を分裂の危機から救った偉大な大統領であっても、部下との接し方や活用の方法には苦労していたわけで、この種の問題に秘訣、特効薬、というものはなく、試行錯誤を繰り返しながら、よりよい方向へ向かって進む努力を積みかさねるしかないのでしょう。
私の場合、検察庁にいた当時は、人徳のなさもあって、こういった方面ではうまく行かず、ストレスを感じることがよくありましたが、弁護士転身後は、身軽に一人で仕事をする場面が多く、そういったストレスからはかなり解放されました。とはいえ、まったく解放されたわけではなく、近く、「人を動かす」を久しぶりに開いて読んでみたいと思っているところです。