http://www.asahi.com/national/update/0125/TKY200601250348.html
現在、どうなっているかは、私自身、しがない弁護士になってしまったのでよくわかりませんが、以前、刑事実務の世界では、「大阪方式」「福岡方式」というものがあると言われた時期がありました。
典型的な大阪方式というのは、私が知っている限りでは、警察が検察庁に事件(特に身柄事件)を送致した後、送致書程度だけ検察庁に残し、他の記録は持ち帰り、勾留満期の2、3日前に、付加した捜査結果とともに検察庁へ持って来て、検察官は、それを踏まえて、取調べ等を行い、処分を決める、というものです。刑事訴訟法が想定している捜査とは異なりますが、警察の「第1次的捜査機関」性を大きく認める方式と言えるでしょう。
福岡方式は、特に贈収賄事件で採用されていた方法で、ある程度内偵が進んだ段階で、収賄側、贈賄側について、早朝から同時に任意同行をかけ、徹底的に取り調べて、その日のうちに、いずれか、あるいは双方から犯罪事実を認める供述が出てそれが信用できると認められれば、一気に逮捕してしまう、というものです。夜までかけても進展がなければ、取調べは打ち切り、捜査も打ち切ってしまいます。内偵が限界に行き当たり事件が中途半端な状態で宙ぶらりんになっている、ということはなくなるので、事件がモノになるにしてもならないにしても、結論が早期に出る方式、ということは言えるでしょう。
大阪、福岡というのは、このように、捜査機関(特に警察)も積極的であり、また、受けて立つ弁護士にも、熱心な人が多い土地柄なので、この記事にあるような「特区」に選定するには適当なように思います。