豊川の男児殺害 「自白調書」どう判断 あす判決 目撃証言、物証なく

http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/060123_1.htm

被告は当初、「突き落とした」と供述した。ところが遺体には外傷がなく、捜査員が「投げ捨てた」に、供述を変更させたと主張する。

この事件を取り上げたテレビ番組を見ましたが、上記の点のほか、被告人が右利きなのに、供述調書では「左利き」になっている、という点も指摘されていました。また、警察が、当初、被害者の父親を犯人視して強く自白を迫った、ということも紹介されていました。
有罪か無罪か、わかりかねますが、非常に難しい事件であることは間違いないでしょう。

追記:

「愛知・豊川の幼児殺害事件の被告に無罪判決 名古屋地裁
http://www.asahi.com/national/update/0124/NGY200601240005.html

「ほぼ唯一の争点」となった自白調書について検討した結果、任意性は認めたものの、「誘拐や殺害の状況、動機に関する自白には不合理な点が多い。捜査員に誘導された可能性を排斥できず、信用できない」と結論づけた。

報道を見る限り、過去に繰り返し問題となった、いわゆる「冤罪型」の証拠構造(自白以外に見るべき証拠がなく、かつ、自白の内容にも問題が多い)と見受けられます。
最終的な結論がどうなるかはわかりませんが、検察庁が有罪判決獲得を敢えて目指すのであれば、自白以外の証拠にも幅広く目を向けた上での犯人性の立証を行う必要があると思います。