<カネボウ粉飾>企業監査は、なぜ有効に機能しなかったのか

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050729-00000117-mai-soci

中央青山監査法人にも、ガサ(捜索)が入ったということです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050729-02604467-jijp-soci.view-001

監査法人が、任意捜査にとどまらず強制捜査の対象になるというのは、異例なことと言えるでしょう。
その理由として考えられるのは、

1 捜査機関が、監査法人を、単なる関係先と見ておらず、「共犯性」を視野に入れている
2 監査法人が捜査に非協力的で、任意の資料提出等では不十分
3 捜査機関が、監査法人を厳しい目で見ていることを知らしめるため、一種の見せしめとしてガサをかけた

といったところではないかと推測します。いずれにしても、監査法人としては、由々しき事態であり、非常に不名誉なことでもあります。枕を高くしては寝られない人も少なくないかもしれません。
上記の、最初にあげたニュースでは、

しかし、カネボウ側の見方は異なる。
「取引先に不良在庫を押しつけていた実態ぐらいは見抜けたはず」。懸命に経営再建に努めるカネボウの関係者は、監査法人を批判した。金融庁中央青山に対する調査を進めており、その結果によっては懲戒処分も辞さない構えだ。

とあり、いつも、「実態が見抜けなかった」「だまされた」などと逃げをうっている監査法人に、遂に捜査のメスが鋭く切り込まれるという事態もありうるでしょう。

追記:

カネボウ元社長ら逮捕、会計士複数も聴取
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050730it06.htm

いずれも「粉飾の事実は知らなかった」などと供述しているというが、特捜部は、700億円を超える粉飾を見逃し、決算を「適正」とした点についても解明を進める。

意図的な行為であれば共犯、意図的ではなくても監査法人としての資質そのものが問われる、ということで、いずれにしても、厳しくその責任が追及されざるを得ないでしょうね。