「ネットユーザーの協力でサイバー犯罪は減らせる」警察庁羽室氏


http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2005/07/27/8576.html

羽室室長は「警察は証拠があれば、あなたのPCが加害者になっているとして逮捕せざる得ない。鍵をかけていない自動車が盗まれて、犯罪に悪用されることがあるが、交通犯罪・事故は関係する省庁や団体との協力で減少した。サイバー犯罪もユーザーや企業、ベンダーなどの協力を得ることで削減できる」と述べた。

この種の記事は、発言内容を不正確に再現している場合が多いので、あくまで上記のような発言があったとしたら、という限定付きですが、「警察は証拠があれば、あなたのPCが加害者になっているとして逮捕せざる得ない。」というのは、「踏み台」にされてしまった人に対して、威嚇が過剰に過ぎるんじゃないですかね?犯罪の故意が認められず、過失犯としての処罰の可能性も、犯罪の内容にもよりますが、ほとんど考えられないでしょう。そういう人を逮捕するような捜査は、捜査として欠陥があると言うしかありませんし、通常、日本において行われている捜査は、そういった粗雑なものではないはずです。
この分野に関する警察の使命は、踏み台にされた人ではなく、他人を踏み台にする悪質な犯罪者を速やかに特定、検挙することであるはずです。犯罪防止という観点からも、踏み台にされないように、国民を広く啓発することは重要ですが、「逮捕せざるを得ない」などと放言して、善良な国民を不安に陥れるようなことは、幹部警察官として、すべきではないでしょう。また、こういった発言は、日本の警察が、日々、行っている緻密、慎重な捜査(問題がある捜査もありますが)を自ら否定することにもなりかねません。
全体としてなかなか良いことを言っているだけに、この部分については気になりました。