副総裁が全面否認 橋梁談合道路公団ルート

http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20050726/fls_____detail__043.shtml

あくまで一般論ですが、捜査が大きく進展して、その結果を踏まえて、トップクラスの人物の逮捕にまで至った場合、「あれも知らない、これも知らない、何も知らなくて私は全然関係ない。」では、とても済まないような証拠関係になっていることが多いですね。
認めるべきところは認めた上で、おかしなところはきちんと反論する、という姿勢で捜査に対処すると、供述にもそれなりに信用性が出て、反論が捜査にも反映され取り上げてもらえる部分が出てきますが、全体としての証拠関係に完全に反する「単純・全面否認」では、捜査機関からも、「今さら馬鹿なことしか言えない間抜けな奴だ」という見方しかされませんから、言い分を一方的に聞かれて調書にして終わり、他の証拠関係で有罪立証十分、ということになることが非常に多いものです。その場合でも、当の本人は、捜査機関の上記のような真意が理解できなくて(理解できないからこそ、そういう供述態度になってしまうわけですが)、「検事が自分の言い分を聞いてくれた」「検事が自分に反論できなかった」などと、自分勝手な自己満足に浸り、その後の公判の推移の中で次第に愕然としてきて、有罪判決(時に実刑判決)を聞いてがっくり、という場合も多いものです。
そういう状況に陥らないようにすることも、刑事弁護においては重要であり、被疑者・被告人との信頼関係を維持しつつ、証拠関係(予想されるものを含む)を踏まえた適切な助言、弁護活動を行うようにしないと、単に被疑者・被告人と一緒になって騒いでいるだけでは、長い目で見て、被疑者・被告人が救われず、宣告されなくても済んだはずの重刑を科せられるという悲惨なことにすらなりかねません。
なお、繰り返しになりますが、以上はあくまで一般論であり、この「副総裁殿」がそうだ、と言っているわけではありません。