判事補任官拒否訴訟、神坂さんの上告棄却 最高裁

http://www.asahi.com/national/update/0607/TKY200506070254.html?t

この判断の当否自体は、具体的な事情がわからず、何とも言えませんが、最高裁自体の判断が問われても、最終的に判断するのは最高裁、というのは、素朴に考えて、恐いことではないかと思います。「絶対的な権力は絶対的に腐敗する」とも言いますし。
最高裁判事の任命過程に、民意が十分反映されているとは到底思えませんし、国民審査の機会も、当該裁判官について10年に1回しかなく、しかも、判断材料にも乏しくて、機能しているとは到底言えないでしょう。
上記の記事で、

神坂さんは引き続き任官を希望する方針で、今後は非法律家を含む11人でつくる「下級裁判所裁判官指名諮問委員会」の判断が焦点になりそうだ。諮問委は、任官過程の不透明さを解消しようと最高裁が03年に新設。任官・再任を希望する全候補者について、適否の意見を述べる。

とあり、このような状態は、以前に比べれば前進していて評価できますが、裁判員制度が導入されればそれで終わり、ではなく、司法や裁判所(準司法的機能を有する検察庁も含め)について、官僚主義や民意を反映しない独善的な運営等を極力排除できる効果的な仕組み作りが、今後とも課題であり続けるのではないかと思います。