祖母の口に消火器噴射、窒息死させる…22歳孫を逮捕

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050428-00000518-yom-soci

容疑者は「小遣いを要求したが断られ、かっとなった。自宅にあった消火器の噴射口を口にあてて噴射した」と供述しているという。

郵便貯金口座から約500万円が引き下ろされており

小遣いを無心する、断られて殺害する、殺害後に口座から500万円を引き出す、という行為の流れを見ると、強盗殺人罪の構成要件に該当する可能性もあります。
警察は、こういった事件で、「かっとなって」という当初の被疑者供述に引きずられて、強盗をつけずに殺人罪で小さくまとめがちですが(この事件がそうであるとは断定できませんが、殺人、死体遺棄で逮捕しているようです)、今後の捜査については、強盗殺人罪の成立も視野に入れたほうが良いかもしれないという印象を受けます。
昔、殺人罪で警察から送致があった事件について、証拠関係全体を再検討し、地検内部で協議し、高検にも報告して、強盗殺人罪で起訴したことがあるので、そういう印象を強く受けるのかもしれません。
その被告人は、その後、強盗殺人罪無期懲役になったと聞きましたが、今でも、その事件やその被告人のことを思い出すことがあります。私が、もっといい加減な検事だったら、殺人罪の起訴にとどまり、無期懲役よりは軽い刑(有期懲役刑)になった可能性が高いでしょう。その辺を、やや苦さを伴って思い出す感じです。真実を追及することは、追及するほうにも痛みを伴うと言っても過言ではないかもしれません。