米最高裁、P2P企業の責任追及に懐疑的見方

少し前のニュースですが

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0503/30/news005.html

1984年に最高裁が下したソニー・ベータマックス判決は、著作権を侵害しない利用が大多数を占める場合、技術企業は二次的な著作権侵害の責任を免れるという内容だったが、毎月P2Pソフトで交換されている26億本のファイルのうち、Grokster側が合法的なファイルとしてカウントできるのはわずかは数十万足らずだと、ベリーリ氏は述べている。

遠く離れた東洋の国の古都で行われている裁判でも、主張内容の正確性はともかく、同様のことが検察官によって指摘されていましたね。

これに対してスティーブン・ブレイヤー判事は、「P2Pソフトによって『相当の』著作権侵害が可能になっている」というベリーリ氏の主張と、ベータマックス判決とはどう線引きできるのかと疑問を投げかけた。相当の著作権侵害を可能にしている技術を罰する新基準をもし裁判所が認めれば、コピー機やビデオデッキ、グーテンベルグ印刷機も合法でなくなるかもしれないとブレイヤー判事。

最高裁判事が、この点を問題視するのは、当然でしょう。最高裁の新判例によって、従来の技術や今後の新たな技術が広範囲に利用できなくなるという事態は避けたいと考えていることがうかがわれます。

デビッド・スーター判事も同じ論拠から、エンターテインメント業界の言い分ではApple ComputerのiPod著作権侵害を助長しているとの主張も成り立つ可能性があると指摘した。

要するに、コピー機、ビデオデッキ、印刷機iPodが良くて、P2Pソフトが悪いと言うなら、「悪い」ことについての根拠をもっと明確にして、良いものと悪いものの区別が明確に行えるような基準を提示すべきだ、ということを言いたいのだと思います。
遠く離れた東洋の国の古都の警察や検察庁は、技術そのものからではなく、技術を開発した人の悪性から、その人の刑事責任が発生するというという論法で、立件、起訴及び立証を進めているようですが、上記のような議論を見ていると、やはり、東洋の国の古都で行われていることは、世界的に見て「特異」な現象と言うしかないでしょう。