winny幇助公判・3月18日証人尋問(その1)

以下は、私のメモに基づくものです。実際は問答式ですが、そこまではメモが取れないので、供述調書風に物語形式で要旨をまとめています。メモなので、抜け落ち、結果的に不正確なところもある可能性があります。その点、ご注意下さい(その2以下も同じ)。
なお、所々で、私のコメントを入れていますが、単なるコメントですから気にしないで下さい。

1 田中警察官の証人尋問

(弁護人の反対尋問に対して)
平成15年12月20日ころ、佐藤警部から指示を受け、被告人について立件することになった。立件については、佐藤、木村、田中で主に検討した。
被告人の供述調書の内容は、前回の証人尋問前にも見たが、平成15年12月20日ころから同月26日の間にも見た。立件の理由は、同年11月27日の取り調べに対して、「著作権法違反をまん延させる目的」などと供述したからである。
被告人が開設しているウェブサイトは見た。2ちゃんねるでの発言内容も見たが全部ではない。
被告人方の捜索差押の際は、自分も含め5名で行った。午前9時に開始し、午前10時50分に終了した。その後、被告人方から車で程近い本富士警察署に移動し、午前中から取り調べを開始した。5名の中で、自分を含む3名は、先に車で京都へ戻り、取り調べは木村とアキホが行った。こういった分担は予め決まっていたことである。
技術面については、木村が詳しい。被告人の立件を検討、決定した際には、木村も意見を言っていたと思う。
11月27日の供述調書(以下、「11・27KS]と略)はアキホが作成した。同日付の申述書もある。
11・27KSに、「著作権法違反をまん延」という記載は出てこない。乙1号証の申述書は、被告人が自ら書いたものであるが、ここには「インターネット上にまん延」といった記載がある。「まん延」は申述書が根拠になると思う。申述書に見本があったことは、前回の裁判の木村証言まで知らなかった。この点に関する佐藤警部の認識についてはわからない。見本について、自分が忘れているだけかもしれない。木村証言の内容はインターネットで知った。

(落合コメント)
見本がありながら、田中が知らなかったというのはいかにも不自然。証人も、その点は自覚しているようで、「忘れているだけかもしれない。」と補足したという印象を受けた。
なお、あくまで一般論であるが、こういった申述書(令状発付の際の疎明資料になったり公判提出が予想されるもの)が作成される場合に、被疑者が、何も見ないまま、いきなり書く、ということは、まずないと考えて良い(特に本件のような重要事件では)。被疑者に予め何度か下書きさせ取調官が「添削」した上で「決定」したものに基づいて作成したり、取調官作成の見本に基づいたり、あるいは、取調官が口で言う内容を書き取らせる、など。
また、警察官証人の尋問結果について、他の警察官証人が十分知らないまま(インターネットで見た、という程度で)出廷するということも、一般的には考えにくい。検察官から警察に速記録が提供されてる場合が多いし、証人本人や傍聴席に来ている警察官から、事後に証言内容が書面で報告されている可能性が高く、他の警察官証人が、そういった書類を見ないまま出廷しているとは、一般的には考えにくい。この点について、弁護人の尋問があっさり終わっていたことについては、傍聴していてやや物足りなさを感じた(事件の本筋ではないので固執するのもどうかとは思うが)。
(コメント終わり)

(続く)