年末と刑事事件

年末で、今年も残り数日ですが、検察庁では、年末になると、「未済事件の処理」を励行するよう求められます。
身柄事件を処分保留のまま釈放し処分を決めないままになっていたり(こういうものを「釈放未済」と言い、できるだけ早期に処理すべきとされますが、なかなか処理できずに残っていることも少なくありません)、身柄事件の捜査に追われて在宅事件(身柄不拘束の事件)が処理できないまま残っていると、そういった「未済」事件を、年末を機に処理するよう求められるわけです。
現在の検察庁が、どのような方針、運用かはわかりませんが、私が現職の頃は、年末に、未済事件を、「検事は一ケタ、副検事はゼロ」にするように、などと言われていました。検事の場合は、複雑困難な告訴事件を抱えていたりしますから、なかなかゼロにはできないのが実状でしょう。
こういう状況ですから、この時期の検察庁内部は、人や事件記録が右往左往しており、騒然としています。そういう中で、懸案の刑事事件も、この時期にバタバタと処分が決まる、ということになりがちです。
私が弁護人になっている刑事事件でも、昨日、罰金刑になったものがありますし(逮捕必至という状態で依頼があり、捜査機関に働きかけて何とか在宅にしてもらうことができ、処分も公判請求までには至らず、ほっとしました)、また、先日、このブログで「逃げ回る検事」ということで紹介した事件(勾留請求されたが却下になり釈放)についても、年内処理の可能性があって、状況を注意深く見守っているところです。
やはり、出るべき処分は出した上で、心新たに新年を迎えたい、というのが、関係者の心情でしょう。