「児童ポルノを被告人に還付すること」は許されない?

奥村弁護士のブログ

http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20041213#p1

で取りあげられていた件ですが、確かに、新法で、特定少数への児童ポルノ提供行為が処罰されるようになったため(7条1項)、児童ポルノを被告人に還付するという行為自体が、少なくとも「提供罪」の構成要件に該当することは避けられそうにありません。
それでは、違法性が阻却されるか、というと、考えられるのは刑法上の正当業務行為ですが、いかに還付とは言え、児童ポルノ提供を「正当」視することは困難ではないかと思います。
そうすると、還付できないので、永久に還付できないまま裁判所や検察庁が保管している、ということになりますが、現実問題としては、事情を説明して所有権放棄させた上で廃棄処分、ということになりそうです。
単純所持自体を処罰せず、提供行為を広範囲に処罰すると、こういった、妙な事態が生じることがわかり、勉強になりました。