六本木ヒルズクラブへの苦情から考えたこと

六本木ヒルズクラブ

http://www.roppongihillsclub.com/top.html

は、六本木ヒルズ森タワー51階の全フロアを占め、私のような「場違い」な会員も例外的にいるが、会員の多くは、政財官界の中枢を占める人々であり、あのホリエモンも頻繁に利用している、という,日本有数の会員制クラブである。当然のことながら、そのサービスレベルは高い。
ところが、最近、ある人(非会員)から、クラブの中にある、あるレストランをビジターとして(オープン1周年の優待チケットを使用したようである)利用した際、非常に不愉快な思いをしたと聞き、私からクラブへ苦情のメールを送った。以下は、その抜粋(趣旨が変わらない範囲内でごく一部変更している)。

以前、メリディアーナを、優待チケット(詳細は忘れましたが、私の記憶でもそういったものがあった記憶はあります)を利用し、十数名で行ったとき(ある人の送別会だったようです)、店員から、不愉快な応対をされた上、送別のため持参した花束を、「しばらくどこか見えないところに置いておきたい」と希望したところ(常識的な依頼であり無理なものではないと思われます)、「そんな場所はない」と、けんもほろろに拒否されたとのことでした。
メリディアーナが、そちらのクラブの中でどういう位置付けになっているかは知りませんが、サイト上でも、

http://www.roppongihillsclub.com/dining/dining08.html

と紹介されており、ゲストであっても、「六本木ヒルズクラブでサービスを受ける」という意識で来ますから(当然ですが)、上記のような事が起きると、失望も大きかったようです。
一見の客が、優待チケットを持ってやってきた場合に、なんとなく馬鹿にした気持ちになるのも、わからないではありませんが、そこは客商売であり、こういった話をメンバーが聞かされるということ自体が、メンバーにとっても不愉快なことであることも十分認識の上、きちんとした店員教育を行うことを強く要請します。

これに対し、すぐに返信があり、丁重な謝罪の内容であり、苦情に対する対応にはそれなりに誠意が認められた。
ここで、少し考えてみた。上記のような、日本有数の会員制クラブで、なぜ、このようなレベルの低いことが起きるのか?これでは、私の自宅の近くにあるファミレス「ジョナサン」の店員のほうが、よほどサービスが良いではないか?
原因はいくつか考えられる。
1 その店員の個人的な資質に問題があった
 これは、大いにありうることである。もし、そうであれば、そういった資質に問題のある店員を働かせていたクラブ側の採用、管理体制に問題があるということになろう。クラブの教育態勢の問題も指摘できるかもしれない。
2 クラブが、会員と、非会員のビジターを差別している
 会員は政財官界の中枢を占める人だったりするし(私のような例外もあるが、私は弁護士で、自分で言うのも何だが小うるさいところがあるし、下手に関わると面倒そうなので、丁重に扱われているのかもしれない)、会費ももらっているので丁重に応対しているが、そうでない人は、表面上はともかく裏では「あかんべえ」とかして馬鹿にしているのかもしれない。ありえないことではない。
3 「メリディアーナ」というレストランの位置づけに特殊性がある
 このレストランは、当初、「ミュージアムカフェ」という名前だったものが、その名前のカフェが上にある展望台にできたことで、「メリディアーナ」という名前に変わったという経緯があるが、日と時間によっては会員以外でも利用できることがあったり、土日は貸し切りで結婚式の2次会が催され嬌声が飛び交うなど、他のレストランとは趣向が異なっている面がある。もしかすると、ここは、形式上は六本木ヒルズクラブ内のレストランではあるが、一種のアンテナショップのようなもので、「六本木ヒルズクラブの雰囲気がほんの少し味わえるチープなレストラン」なのかもしれない。だとすれば、つっけんどんな応対、食事の提供以外の「余計な」(店側から見て)サービスの拒否、ということも、何となく説明がつくような気がする。しかし、もしそうであれば、

http://www.roppongihillsclub.com/dining/dining08.html

といった、きれい事の紹介はやめて、「ここは六本木ヒルズクラブの雰囲気が少しだけ味わえるチープなレストランですから、店員は必要最小限度のサービスしか提供しませんし、勘違いするのはやめて下さい。」といった「お断り」を予め行っておくべきかもしれない。そうなると、私の自宅近くにあって、時々利用している「ジョナサン」のほうが、心がこもったサービスを提供していて、よほど利用していて気持ちがよい(価格もリーズナブルだし)ということにはなるが。
信用、信頼を築くためには長い年月がかかるが、失うのは一瞬であると言うが、サービスを通じた信用、信頼についても、正にそれがあてはまる。顧客に接する立場にある人(私も含めて)は、常に自重自戒する必要があるというのが、この件で得られた教訓かもしれない。