「大空港」「ホテル」の作家アーサー・ヘイリーさん死去

http://www.asahi.com/culture/update/1126/001.html

大空港』『ホテル』『自動車』『ストロング・メディスン』などのベストセラー作品で知られるカナダの作家、アーサー・ヘイリーさん(84)が24日に死去した。AP通信などによると、バハマの首都ナッソー近くの自宅で、家族と夕食を食べた後、就寝中だったという。

 1920年、英国に生まれ、貧しくて通学が続けられず、14歳で働き始めた。第2次世界大戦中は英国空軍のパイロットとして従軍。カナダに移住後、パイロットの経験をもとにテレビドラマの脚本を書き始め、文筆に進んだ。59年に『最後の診断』で作家デビュー。綿密な取材に基づいて、巨大組織やさまざまな業界の表裏を描く手法に定評があり、多くの作品が映画やテレビドラマにもなった。69年からはバハマに住んでいた。

作品を何冊か読みましたが、一番良いと思ったのは、「ストロング・メディスン」です。製薬会社で働く女性が、勇気と努力でトップへとのぼりつめて行くという物語ですが、製薬会社の内幕などが具体的に描かれており、薬害事件などを見る上でも非常に参考になった記憶があります。
サリドマイド」を連想させる薬品の販売に反対して辞職した主人公が、その後、業界に復帰する、といったあたりの描き方は、アーサー・ヘイリーらしくて圧巻だなと思いました。
最近読んだものでは、

殺人課刑事〈上〉新潮文庫
殺人課刑事〈下〉新潮文庫

が、警察の捜査活動がリアルに描かれていて、おもしろいと思いながら読んだ記憶があります。
こういう作家が亡くなるのは、非常に残念なことです。
ご冥福をお祈りしたいと思います。