うそ発見、1000人に1人は9割正解の能力保有と

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200410150017.html

岡口Jのブログでも紹介されていた、このニュース。

また、特定分野のうそだけを正確に識別することのできる人が13人見つかった。犯罪に関するうそだけは8割以上見抜けるが、感情をめぐるうそは苦手という警察官らがその例だという。

確かに、そういうことはあります。私の場合、検事在職中は、相当数の被疑者を取り調べ、公判で相当数の被告人や証人に尋問し、という生活を、毎日毎日続けていると、相手の表情、質問に対する返答までの気配、質問をたたみかけた場合の反応、などで、「あ、これは嘘をついているな」と確信することがあり、そういった「根拠をもった確信」を持った場合、はずれたことは1回もありませんでした。自白した後に、被疑者や被告人から、「あのとき、落合検事に厳しく追及されて、嘘をついて否認するのが、本当に辛かった。」と、述懐されたこともありました(こういう能力は、もう、発揮する機会はないので、自慢とかではなく、単なる思い出話です)。
ただ、自信を持つのは悪いことではありませんが、人間には「見込み違い」ということもあるので、自信を持ちすぎることも、時に危険です。やはり、常に、真実に対する畏れ、といったものを持ち続けている必要があると思います。
昔、司法試験に合格した際の祝賀会の席だったと思いますが、早稲田大学総長も務められた西原春夫先生が、スピーチで、「人を裁くということは、本来、人が行ってはならないことであり、神や仏しかやってはならないことであるが、人の世では人を裁く仕事が必要であり、法曹という仕事もある。皆さんは、本来、人がやってはいけない仕事をする以上、常に謙虚に、神仏に近づく努力を続けなければならない。」といった趣旨のお話をされて、大変感銘を受けた記憶があります。