検事について

http://plaza.rakuten.co.jp/droppy/diary/200309200000/

司法修習生のブログで、検察官の仕事についての感想が述べられていますが、非常に的確な見方がされており、参考になります。

ただ、きっと大変なのは、大規模庁だと、かなり激しく叱責されたりするらしいのだな。これが怖い。相当怖い(らしい。)
っていうか、体育会系なのだ、基本的に。

最近は、こういったことは、あまりないと思いますが、私は、昔、新任明け検事のころ、次席検事の部屋で、1時間くらいの間、ずっと立たされたまま、怒鳴りまくられて怒られたことがあります(事件処理についての見方が甘かったため)。
ただ、ひどく怒る、というのは、見所がある、と見てくれている場合もあります。

そして、やっぱり取り調べはかなり疲れる。本当に疲れる仕事だと思う。被疑者と面と向かって、必要なことを取ることの大変さ。犯罪者と向き合って、真実を突き止めること、んー、なめられたらいけないし、必要なことをきちんと聞き出すことの大変さ、というか、全く知らない人間と真剣に向き合う大変さというのは、かなりのものだと思う。
当たり前だが、きちっとした取り調べをするためには、何を聴取する必要があるかをはっきりする必要があり、そのためには記録を精読しなければならない。

この感想は、非常に的確です。検察官の仕事を、良く理解していると思います。

あと、細かいことかも知れないが、ひどく下らないと思うときもある。供述調書のつじつま合わせだ。KS(司法警察員面前調書)とPS(検察官面前調書)との間に矛盾というか、KSからPSで供述に変遷があった場合には、その変遷理由を取らないと、信用性に欠ける。そこで、変遷の理由を書くのは構わないのだが、KSが明らかに間違っていて、KS段階での事件の筋読みを間違えたがために、それをPSで頑張って直さなければならない。PS段階で正しいと思う事実についてそのまま書いただけでは行けなくて、KSで間違えた理由を書く。正直に言えば、KSが間違えただけだが、とてもそうは書けないわけで、理屈をひねったりする。
っていうか、供述に変遷があるから信用性に欠ける、と判断する裁判官にも問題があるのかも知れないけれど、一応そうなっている以上、検察官も直さざるを得ない。ひどく大変だ。どの仕事でもある側面なのかも知れないけど、ちょっと疲労感が大きい。

検察修習で、こういった感想が持てるというのは、たいしたものです。確かに、「変遷がある供述」=「信用性に問題がある」という点が、過剰に取り上げられすぎると、こういったことが起きてきます。細かい変遷よりも、むしろ、主要部分、根幹部分の一貫性といったところを重視して、という発想も重要になります。
このブログの作者には、今後も、こういう良いセンスを持ち続けて欲しいと思います。