winny公判(午後)速報

13:29 公判再開

まず、弁護人による、検察官冒頭陳述に対する求釈明と、検察官による回答
(弁護人)
 冒頭陳述中の、「摘発を受けることがないようにしてほしいとの要請を受けて」、それに関連する2ちゃんねる内の被告人による書き込み、「ファイルをアップロードしているウイニー利用者の不満を取り入れ」といった各記載について、日時や内容をもっと具体的に明らかにしてほしい。
(検察官)
 次回までに検討
(弁護人)
 ウイニー1とウイニー2は、同一のものか否か
(検察官)
 次回までに検討
(弁護人) 
 冒頭陳述全体について、ウイニーを開発したこと自体を問題視していると読めるが、そういう趣旨か?裁判所に予断を与える余事記載ではないか。
(検察官) 
 公訴事実に密接に関連する背景事情として述べたものである。
(弁護人)
 「匿名」だから違法だ、という趣旨か。
(検察官)
 次回までに検討
(弁護人)
 ウイニーの問題点は、冒頭陳述の中で5つに分けて挙げられている点に限定されるのか。
(検察官)
 次回までに検討
(弁護人)
 検察官の冒頭陳述は、書面に記載したとおりに理解して良いのか?
(検察官)
 次回までに回答
(弁護人)
 冒頭陳述では、「確信犯である」とされているが、公訴事実に記載がある「認識して」と一貫性がないのではないか。実際はどう考えているのか。
(検察官)
 釈明の必要がない。
(弁護人)
 正犯の行為のうち、コピープロテクト解除やエミュレータの利用等について、検察官はどのように考えているのか。
(検察官)
 次回までに回答
 裁判長は、「できるだけ、相互に書面でやりとりして欲しい」と、書面でのやりとりを勧める。
 続いて、弁護人による冒頭陳述。参考図面を法廷の壁面に映写しながら。
 本件は、公訴棄却相当であり、それが認められない場合であっても、被告人に対しては無罪が宣告されるべきである。
 本件起訴は、ウイニーの開発行為そのものを処罰しようとするもので不当である。ウイニーは優れたソフトである。それを被告人は、一人で、ごく短期間のうちに開発した。検察官はP2Pソフトについてあまりにも無理解である。被告人の処罰についての法的根拠が欠けており、だからこそ、検察官は、内容が不明確な幇助を持ち出してきたものである。このような起訴は罪刑法定主義に反する。本件起訴はソフト開発に打撃を与えるものであり、日本の国益に反する。弁護人が、公訴提起そのものを違法とする理由はここにある。
 (被告人の身上、経歴について触れた後)
 ウイニー開発の背景について述べる。P2Pモデルは、サーバクライアントモデルに比べて、サーバへの負荷やダウンを招くことがないなど、優れたものである。総務省のIT政策大綱においても、P2Pは推奨されている。
 このような状況の中で、被告人はウイニーを開発したものであり、著作権侵害をまん延させるといった意図はなく、サイト上にも、違法なファイル交換には使用しないようにと注意書きをつけていた。
 このようなソフトの開発等を幇助犯に問うこと自体がおかしい。それが認められるようなことになれば、コピー機、ビデオデッキ、携帯電話、自動車といった、犯罪にも使用されうるものを開発、提供した者は、ことごとく幇助犯になるが、あまりにもおかしい。
 検察官は、ウイニーの特徴である、情報流通性の高さを問題にしているが、むしろ問題であるのは、コピープロテクトを解除するなどした正犯者の側にある。
 被告人は、違法行為の抑制を呼びかけており、悪用の可能性も、あくまで可能性として認識していたに過ぎず、これをもって幇助の故意と言うことはできない。
 被告人によるウイニー改良行為も、ファイル交換機能強化のためではなく、BBS機能強化等のためである。、ウイニーが適法なソフトである限り、その改良行為も適法である。
 本件起訴によるソフト開発者に対する萎縮的効果には多大なものがある。
 被告人は無罪である。
 以上のような弁護人の冒頭陳述に対して、検察官が「意見にわたるような部分もあるが、すべて証明するのか」と求釈明を申し立てたが、弁護人は、「そのとおりである」と答えた。
 その後、弁護人が同意した書証が、証拠として取り調べられた。
 裁判長から検察官に対し、今後の立証予定が聞かれ、検察官は、公判期日外で証人申請を行う、と述べ、次回以降の期日が定められた。
 次回期日は、9月24日午後。検察官申請による証人尋問の予定。

14:35 公判終了