六本木ヒルズ回転ドア事故で森ビル社長聴取へ

http://www.asahi.com/national/update/0717/017.html

この事故は、本当に悲惨なもので、亡くなったお子さんやご遺族は、本当にお気の毒です。
私も、この事故の前から、森タワーの回転扉を利用していましたが、報道されているように、スピードは速いと感じていましたし、センサーの不具合のせいか、昨年秋ころから、よく急停止するな、と思っていました。
森ビルの社長や役員が追及されようとしているのは、刑事法の分野で、「監督過失」と言われているものです。組織の上層部にある者が、部下を指揮監督して、一定の犯罪的な結果を生じさせないようにする注意義務を負っている場合に、その義務を怠ったことにより生じる過失責任、ということです。
どのような場合に、監督過失が認定されるかどうかは、ケースバイケースですが、従来の判例で多いのは、火災や爆発事故、といったものでしょう。
組織が大きくなればなるほど、部下に任せるべき分野も増えますし、いわゆる「信頼の原則」も一定の範囲で適用されますが、放置とか丸投げは、特に人の生命、身体に関わることについては、許されませんから、事案によっては、監督過失が厳しく問われるケースも出てきます。