米司法省、携帯電話の位置追跡に「令状は不要」との見解

http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20408544,00.htm
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20408544-2,00.htm

わずか数年前まで、携帯電話の追跡は「エネミー・オブ・アメリカ」や「ダイ・ハード4.0」といったスリラー映画の世界の話だった。現在、警察は年間数千回にわたり携帯電話の位置情報を利用しているものの、根拠となる法規は不明瞭のままで、約30年も前に制定された連邦プライバシー法は多くの点で曖昧さを残している。

Obama政権は、捜査令状は必要ないと主張している。必要なのは米国連邦法典第2703条(d)項に基づく裁判所命令だけだという立場だ。同条項は法執行機関に対し、その記録が「捜査中の事件に関連性があり、重大な意味を持つ」ことを示すよう求めている。この基準は、捜査令状を発行するのに必要な基準よりも緩くなっているため、プライバシー保護の点で劣る。

日本の場合、この種の情報は、令状に基づき取得されているはず(「はず」というのは、通信事業者が裏でこっそり無令状で協力している可能性を完全には否定しきれないため)ですが、アメリカでの議論も、より厳格な令状に基づくべきか、裁判所命令によれば足りるかというものであって、捜査機関のフリーハンドを認めるものではないようです。
捜査上、被疑者だけでなく被害者(例えば拉致されているような)の所在を知るためにも、携帯電話による位置情報は有益ですが、濫用されれば旧東ドイツのような監視社会になってしまう恐れもあり、日本でも取り扱いには慎重さが必要で、今後も通信事業者が無令状で捜査機関に情報を提供するわけには行かないでしょう。

マイクロソフト、「Windows Phone 7」を発表--Mobile World Congressで

http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20408605,00.htm
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2002年に初めて発表されたWindows Mobileの改良に取り組むのではなく、同社は最初からやり直すことを決断した。その結果、これまでのWindows Mobileソフトウェアとはまったく異なる新たなルック&フィールが誕生している。
Windows Phone 7は、主にタッチスクリーン対応のスマートフォン向けに設計されている。グラフィックの「タイル」によって、ユーザーは情報を多面的に入手可能である。より有用で直感的な操作を可能とするソフトウェアやユーザーインターフェースの開発が目標に掲げられた。たとえば、新しいソフトウェアでは、写真、電子メール、音楽、動画、電話のアドレス帳といったデータや、SNS、複数の音楽サービス、電子メールなどのオンラインスポットが、電話上で容易にアクセス可能なバーチャルボタンの「タイル」へと統合されている。

私は、ウィンドウズモバイル搭載の携帯電話を、遂に使うことがなかったのですが、バグが取り切れなくて発売が遅れたとか、遅い、重いなどといった悪評を聞くことはあっても、良い評判は聞くことがなかったという印象が強いですね。結局、ビスタのように早々と捨てられてしまったということでしょう。しかし、既にウィンドウズモバイル搭載の携帯電話を買ってしまった人としては不愉快な話ではあります。
記事にある新OSは、使ってみないと何とも言えない面はありますが、既にiphoneブラックベリー、アンドロイドと、続々と出ている中、どこまで新味があり魅力を出せるかとなると、かなり厳しいものがありそうな気はします。この種のスマートフォンを使い始めると、至って便利で、出先ではこれで済ませてしまう、ということになりがちで(私もまさにそうですが)、そういう状況の中で乗り遅れてしまったマイクロソフトの焦り、というものが強く感じられます。とは言え、挽回はかなり難しいでしょう。

法科大学院雑記帳―教壇から見た日本ロースクール

法科大学院雑記帳

法科大学院雑記帳

最近、この続編が出ているのを書店で見かけて購入し、前と同様、全部読み切れずに拾い読みしているところです。米倉先生の考えには賛同できない点も多々ありますが、実際に現場に身を置きながらの発言であり、興味深く参考になります。
最近、感じつつあるのは、法律初学者がいきなり法科大学院に入り、3年間で司法試験合格レベルに達するのは、不可能ではありませんが、かなり難しいものがあって、既存の法学部が、もっと活用されるべきではないか、ということです。他学部出身者は、法科大学院に入る前に、まずいずれかの法学部で(学士入学すれば2年で終了できるでしょう)法律の基本をきちんとマスターし、また、法学部出身者であってもあまり勉強していなかった人は、再度、入り直して2年ほど学ぶということをやっても良いでしょう。良い指導者がいる予備校を利用するという方法もあります。
法科大学院入学に際しては、新司法試験の択一試験程度の試験を行い、基本六法と言われているものについて習得できているかどうかを問い、例えば3000名程度を合格として、合格者が各法科大学院での選考を受け入学する、ということにすれば、既に一通りの勉強はした、というところからスタートできます。不合格者は法曹への道をあきらめざるを得ませんが、法科大学院へ進み多額のお金を使ってからの進路変更よりは損失が少なくて済むでしょう。法学部で学んで学士号を得たという実績は残りますから、無駄にはならずその後の人生で活用もできそうです。
その上で、法科大学院ではより高度な、実践的な学習を行い、原則は3年制にするものの、2年終了後は司法試験を受験できるということにすれば、勉強が進んだ人は早めに受験ができることになるでしょう(現在の既習者の位置付け)。
こういう流れの中での司法試験では、既に法科大学院入学時に択一試験は行っているので、論文試験のみとすれば、今より負担が大きくなるということもありません。
こういった制度にすれば、法科大学院の3年間に今よりも余裕ができ、以前の司法研修所の前期で行っていたような教育(今では廃止されたが実務修習へ入る前の準備期間とされていた)も今よりは行き届いたものになると思います。
法学部が法曹養成の導入段階を担い、法科大学院が、その上に積み重ね、司法試験合格レベルまで引き上げて行く役割を果たす、両者がうまく役割分担するということも、今後、検討されるべきではないかと思います。