バカじゃねえか…幹部は処分…ワッペン作り直しで石原知事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090410-00000769-yom-soci

石原知事は、この問題を報じた読売新聞を掲げながら、作り直す前のデザインについて「東京の下水はきれいだなって感じがするし、いいじゃない」とし、「規格に合わないからと作り直して、バカじゃねえかほんとに」と怒りをあらわにした。
最初のワッペンには、イチョウ形の都シンボルマークの脇に、水色の波線が添えられたが、同局は、「マーク使用の際に他の要素を加えない」という都の内規に反すると判断し、作り直した。内規は、マーク制定の1989年に作られたが、都の担当課は「使用方法で混乱しないよう一定の約束事を設けたが、強制ではない」としている。

こういう小役人根性といったものは、怒られても処分を受けても治らないでしょうね。昔読んだ、

完本 危機管理のノウハウ

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で、火事の際に、消防士がどこかの役所の消火栓を使おうとしたところ、守衛が出てきて、許可がないと使えない、などと言って(正確な言葉は忘れましたが)、目の前で火事が起きているのに使わせなかった、というエピソードが紹介されていたことや、確か、司馬遼太郎の何かの作品で読んだ記憶がありますが、幕末、日本へ来て幕府と交渉していた外国人が、相手について「ヤクニンだから話にならない。」と、その優柔不断さ、無責任さを指して言っていた、といったエピソードを思い出しました。
消火ができなくても、ワッペンの作りなおしで多額の経費が無駄になっても、物事を杓子定規に解釈し独善的に暮らす、というのが小役人根性で、日本の文化に目指した悪弊という側面があるだけに、土着のウイルスのようなもので、根絶は難しいでしょう。

「無期」受刑者1710人 昨年末、最多を更新

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009041101000020.html

集計によると、無期懲役・禁固の判決が確定し、08年中に服役が始まったのは53人(前年は89人)。一方、08年中に仮釈放されたのは5人(同3人)にとどまった。
服役期間をみると、08年末時点で80人が30年以上、うち6人は50年以上で、依然として長期化する傾向にある。

仮釈放の可否は従来、刑務所長らの申し出に基づいて審理されてきたが、今月からは服役が30年を超えた段階で一律に審理する方式に変わった。仮釈放が増え、受刑者の減少につながる可能性が指摘されている。

無期刑になる者が増加し、仮釈放がなかなか認められなければ、無期受刑者は必然的に増加しますね。
昔は、15年から20年程度の受刑期間で仮釈放になった無期受刑者もいましたが、有期刑の上限が、かつての20年から30年に伸びたこともあって、最低30年は受刑させるということになっているものと思われます。ただ、人により更生の度合いは大きく異なり、「応報」を重視して、一律、最低30年は受刑させるということが妥当なのかどうかについては、異論もあるでしょう。

法科大学院「倍率2倍割ったら定員減を」 中教審提言へ

http://www.asahi.com/national/update/0411/TKY200904110037.html

文科省によると、08年度入学生の試験では、倍率が2倍未満の大学院は全体の約3分の1という。

定員減などという生ぬるいことを言わず、2倍を切ったら2倍以上に回復しない限り3年以内に廃止、1倍を切ったら速やかに廃止、と言うことを原則にして、例外的に存続する意味なり価値があることは、存続を望む法科大学院側で主張、立証するといった方法もあるのではないかと思います。
そうすれば、存続する意味や価値がない、あるいは乏しい法科大学院が淘汰され、全体の定員も次第に減少し、現行の制度を存続させるとしても、今よりはましな状態になるでしょう。

暑っ!!東京都心で夏日 前橋は26・9度

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090411/trd0904111240012-n1.htm

東京都心の夏日は今年初めて。12日の日曜日も好天となる予報で、行楽や屋外のレジャーに絶好の週末となる見込み。

今日は(今日も、と言うべきかもしれませんが)事務所に出て、いろいろな作業中ですが、暑いので、軽く冷房を入れていて、やっている作業の中身はとても快適とは言えませんが、事務所内は快適です。
明日も、多分、事務所で仕事をしているので、行楽やレジャーとは無縁ですが、こういった陽気ですから、国民の皆様には是非楽しく過ごしてほしいと思います。

中野正剛事件

判例時報に、以前から、渋川満弁護士による「先輩から聞いた話」という連載が掲載され、昔の裁判官や裁判所の話が紹介されていますが、2031号で、戦時下に起きた中野正剛事件が紹介されていました。
中野正剛早稲田大学出身の政治家でしたが、戦時下、東条英機首相を公然と批判し、昭和18年に至り、東条内閣により、帝国議会が開催される寸前に、中野正剛を含む百数十名が戦時刑事特別法違反(その後、不敬罪等も付加)の容疑により検挙され、東条首相から検事総長に対し、中野正剛帝国議会に出席させないため、勾留請求するよう指示があり、指示のまま勾留請求されたものの、担当裁判官であった小林健治判事が、強烈な圧力に屈せず、衆議院議員であった中野正剛不逮捕特権等を理由に勾留請求を却下し、釈放に至ったという経緯について、生々しく紹介されていて、興味深いものがありました。なお、中野正剛は、釈放直後に謎の自決を遂げています。
最近の事件になぞらえてみると、戦況が悪化する中で追い込まれていた東条内閣が支持率低迷の麻生内閣、当時の検事局は現在の検察庁(特捜部)、戦時刑事特別法、不敬罪等が政治資金規正法中野正剛やその同志が小沢一郎氏やその秘書、民主党という、やや気味の悪い構図が浮上してきますが、物事はそう単純ではないとはいえ、妙に当てはまりそうなのが気になります。
中野正剛に対する捜査は、正に政治的弾圧を目的とした国策捜査そのもので、こういったことに安易に利用されてしまう検察権力の本質的な危険性というものを感じるとともに、そういった政治的弾圧、国策捜査から国民を、民主主義を、正義を守るのは、やはり三権分立下における司法権を担う裁判所しかなく、不明朗な背景による不可解な捜査、起訴といったことが現に存在する今こそ、裁判所に期待される役割は大きいのではないかと強く感じました。

「裁判官の仕事は,こんなに大変@雑誌JW5号17頁」

http://d.hatena.ne.jp/bo2neta/20090411#p12

「若手裁判官が夜の12時まで裁判所で仕事に追われるのはよくあること。土日の休みのどちらかは仕事でつぶれる裁判官が多い。記録を読み判決を書く。それをひたすら繰り返す毎日です。」(伊東武是判事)

法曹になれば、いつもではないにしても、土日の休みのうちどちらか、どころか、土日ともつぶれるということも珍しくはないでですね。
私は、現時点で、丸20年、この仕事をやってきましたが、暇だった時期、余裕があった時期、というのはほとんどなくて、常に何か抱えながら忙しく、慌ただしくしてきたという印象が非常に強くあります。そういった状態は、裁判官、検察官、弁護士の、どのコースを選択しても、仕事の内容は違うとはいえ、それほど変わらないのではないかと思います。
ただ、そういった忙しさの中でも、何とか時間をやりくりし、自分の時間を確保して研鑽を深めるということも、その気になればでき、そういった生活を地道に続ける中で、次第に力がつき見えなかった物事が見えてくる、という面もあるので、忙しさ、ハードさを苦にせず気力、体力で乗り切って行くということは、避けては通れないし必須のこと、という気はしています。
これからこの世界に入ろうとしている人は、そういう世界であるということは十分覚悟しておいたほうが良いでしょう。