4警官は嫌疑なしで不起訴 熱田署での焼死事件

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009030990232943.html

地検は、男性が直前まで落ち着いた状態だったことから、警察官らに男性の異常行動を察知するべき注意義務はなかったと指摘。その上で「男性が自分でライターで火を付けたことは明らか」と、死亡との因果関係も認められないとした。
愛知県警などの調べで、巡査部長らは灯油をかぶって飲食店のトイレに閉じこもった泥酔状態の男性を熱田署に保護。男性がたばこを吸いたいと申し出たため、巡査がライターを机の上に置いたが、巡査部長らが気付かないうちに男性はズボンに火を付け、全身やけどで死亡した。

事件というものは、証拠をきちんと見ないと正確、的確な評価はできないものですが、それにしても、これで「嫌疑なし」というのは、奇異な感じがします。灯油をかぶった人間のそばにライターを置く、ということについて、それも警察官という立場にある者が、何ら注意義務違反がないというのは常識的にも変で、ライターで火をつけたのがその男性であっても、そもそも警察の保護下にあるわけですから、保護義務を尽くすべき立場にある、という観点で見ないとおかしいでしょう。
「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、嫌疑なしで不起訴にして落とすために、森を見ないようにして、わざと木ばかり見ていたのではないか、という疑いすら生じる処分結果です。
警察官が被疑者になるような事件では、こういった奇異な処理が時々起き、そういう処理をそれなりに見る目がある人が見れば、一種の出来レースではないかといった疑いが生じざるを得ないでしょう。

漆間副長官「そういう発言したことないという記憶になった」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090309-00000843-yom-pol

漆間(うるま)官房副長官は9日午後、首相官邸で記者会見し、西松建設の違法献金事件を巡る東京地検の捜査が自民党には及ばないとする見通しを示した自らの発言について、「私と3人の秘書官の記憶を突き合わせた結果、そういう発言はしたことはないという記憶になった」と述べ、発言自体を否定した。

特捜部がこの事件で身柄を引いてくる前に、法務大臣まで報告は当然あがっていて、さらにその情報が麻生首相にまであがっていることは間違いないでしょう。そういった「ライン」の流れの中で、内閣官房副長官が何らかの形で絡む場面があったのか、ということが問題になると思います。
何も関与していない、情報もなかった、ということになると、でたらめな話をして記者をミスリードしようとしていた疑いがあり、しかも、発言が問題になれば、記憶の問題で逃げようとしているわけですから、いずれにしても始末に負えないオヤジである、ということは言えるでしょう。
日本は警察国家ではないし、そうなるべきでもないので、こういった胡散臭い元警察官僚は、さっさとお払い箱にしたほうが、国家国民のためになりそうです。

民主 検事総長の聴取検討

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090310-00000086-san-pol

参院民主党側が、検察トップの樋渡検事総長への事情聴取を検討しているのは、「東京地検特捜部が捜査中にもかかわらず、供述内容や文書など証拠物件の有無、捜査方針などがどんどん報じられているのは意図的な情報操作であり、許されない」(参院幹部)と判断したためだ。

憲法の本などを読むと、過去のこういった動きを紹介しつつ、裁判官や検察官に対し、特に進行中の事件について、このような動きをすることは司法機能に悪影響を及ぼすので差し控えるべきである、といったことが書いてありますね。
ただ、考えてみると、どの事件をやる、やらない、といったことについて、米国のような大陪審もない日本では、国民が関与することもできず、そのプロセスを垣間見ることすらできない上、報道の中には、捜査機関内部の人間でなければ到底知り得ないような、具体的、詳細なものもあって、国民主権下の日本の中で、こういった徹底した秘密主義でやりたい放題の権力機関が、現在のような状態で存在して良いのか、少なくとも、何がどのように行われているかについて可能な範囲内できちんと国民に公表したり、国会での質問にも可能な範囲内で答える程度のことはすべきではないか、といった議論は当然出てくるでしょう。
特捜部といえば、どこへ行っても何をやってもやりたい放題、裁判官も弁護士も馬鹿にしつつばく進する捜査の世界の王様、という時代は、徐々に終わりつつあるのかもしれません。
私も、間違って検察庁に勤務し続けていたら、今頃、特捜部の捜索差押の際の段ボール運びくらいはやらされていたかもしれず、早く辞めておいて良かったと、改めてしみじみと感じます。