芸能人ブログを集中攻撃、「炎上」させる…18人立件へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090205-00000004-yom-soci

きっかけは約10年前、所属芸能事務所が「足立区出身の元不良」とのうたい文句で男性を売り出したこと。その後、インターネットの掲示板に、男性を犯人扱いする書き込みが始まった。所属事務所は2002年、ホームページ上で「事件とは全く無関係」と告知したが、効果はなかった。
男性のブログは中傷を消しても消しても、後から書き込まれる状態が続き、昨年4月、男性はブログを書き込み禁止にするとともに、「タレントとしての名誉が著しく傷つき、芸能活動に重大な支障が生じた」として、中野署に被害届を提出した。
警視庁で通信記録を調べたところ、数十人が書き込みをしており、その中から執拗(しつよう)に悪質な書き込みを繰り返していた18人を特定した。

過去にも、この種の「炎上」事例での立件、起訴例はありますが、18人もの被疑者が立件されるというのは、おそらく初めてでしょう。先日観た映画「誰も守ってくれない」でも、殺人事件についてインターネット上の掲示板で次々と書き込みがなされ、被疑者やその家族のプライバシーが暴かれて行くシーンがありましたが、一種の群集心理のようなものがはたらき、自制心が失われ、暴走が暴走を呼ぶ怖さというものを強く感じました。「炎上」も、そのような歯止めの聞きにくい行動の一種と言えるでしょう。メディア・スクラムにも恐ろしいものがありますが、この種のコメント・スクラムにも看過しがたい深刻なものがあります。
書き込んでいるほうは「匿名性」で安全圏に身を置いているつもりでも、捜査機関が強制力を駆使して本格的に捜査すれば、書き込んだ者をかなり特定することができるのが実状ですから、自制心をはたらかせ、この種の群集心理に駆られた現象に安易に加わらないほうが身のためです。

無理やりキス70回…大阪の神父、強制わいせつ容疑で逮捕

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090205-00000021-yom-soci

容疑者は昨年10月下旬〜12月下旬の間、約70回にわたり、居住する同教会敷地内の司祭館(神父の居住棟)1階の台所付近で、「愛してます」とささやきながら抵抗する母親を抱き寄せ、無理やりキスを繰り返した疑い。母親は同教会で食事の支度や掃除などのアルバイトをしており、ほぼ毎日司祭館に出入りしていたという。

教会はこの日、門が閉ざされたままで、出入りする信者らの姿はなかった。近くの女性信者(86)は「住む場所のない人の世話をするなど、多くの人を助けてこられた。あの神父さんに限ってそんなことは絶対ないはず」と驚いていた。

先ほど、NHKの昼のニュースを見ていたところ、この事件が報じられ、教会に張り出された聖書の一節の、「私たちの罪をお赦しください。」(ルカの福音書と思いますが)が大写しになっていました。強制わいせつをやっても許してください、という意味は、この一節に込められていないはずですが、妙に生々しく、映像の力というものを感じました。
日本でも、比較的最近に、

牧師が信者の少女乱暴、約10人が被害訴え…京都
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050406#1112747568

という事件があり、この牧師は、その後、かなり長期の実刑を宣告されたと記憶していますが、欧米では、

<聖職者性的虐待>被害者87人に102億円賠償
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20041205#1102178141
カトリック聖職者の性的虐待、130億円基金で和解
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050604#1117875484
性的虐待で巨額示談のカトリック司教、被害者らに謝罪
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070716#1184563862

といった、とんでもないことが実際に起きています。欧米(特に米国)では、聖職者であれば悪事は働かないという常識は既に崩壊していると言っても過言ではないように思います。
上記のエントリーの中で、

宗教団体内部でこの種の事件が起きると、加害者側が圧倒的に力を持っていることや、閉鎖的な組織の中で事件が隠ぺいされがちなこと等から、なかなか発覚せず、それだけ被害が次々と起きがちのように思います。
日本でも、宗教団体内部での、指導者による連続強姦事件が問題になっていましたが、この種の犯罪を防止することや、起きてしまった場合に早期に顕在化させて新たな被害をできる限り防止することの重要性、困難さを感じます。

とコメントしましたが、その感を深くしています。