「紙とネットの壁を壊す」、産経新聞とマイクロソフトの共同ニュース・サイトが始動へ

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070925/282927/?ST=system

同サイトでは、速報記事だけでなく、これまでは紙媒体への掲載を優先してきた連載記事、解説記事なども掲載する。「取材した情報をいち早くWebで伝える『Webファースト』にとどまらない。価値が高い情報ほど、ネットでより詳しく報道していき、質・量ともに充実した『Webパーフェクト』を目指す」(住田社長)。

私の場合、「紙」のほうは朝日と日経、ネットのほうはいろいろなサイトを巡回する、ということを毎日繰り返していますが、上記のような「Webパーフェクト」は歓迎しつつも、そうなった場合、どこで収益を上げるのだろうか、と心配になってきます。おそらく、そこが今後の最大の課題なのでしょう。
そういった課題をうまくクリアして、ニュースの世界の覇者となるのは、はたして誰なのでしょうか。

検察は謙虚になるべきだ 「伝説の鬼検事」田中森一氏

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/86569/

この記事、奥村弁護士のブログ経由で知りましたが、なかなかおもしろいですね。

いずれにしろ、検事も弁護士もやることは一緒なの。まずは事実、真実というのがある。この山の頂上に、被疑者の悪口ばっかり言いながら登るのが検事。裏側から被疑者をかばいながら登っていくのが弁護士だわね。

私は、田中氏のような「伝説の」といった形容詞がつくような弁護士ではない、しがない弁護士なので、ここまで言い切ることには躊躇を感じますが、感覚的には、確かにそういう面があるのではないか、と思います。
絶対的な真実、真相というものは、神様、仏様しかわからないもので、捜査、訴訟というものを通じて解明、形成される真実、真相というものは、多分に相対的なものですから、立場が変われば、目指す真実、真相というものも変わってきます。
この辺の感覚は、一般の方々にはなかなかわかりにくいところでしょう。実は、私自身も、いまだによくわからない面があります。そこが、田中氏のような「伝説」と、私のような「しがない」者の違いでもあるでしょう。

時津風親方を立件へ 力士急死巡り傷害容疑 愛知県警

http://www.asahi.com/national/update/0925/NGY200709250007.html

先日、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070630#1183166210

とコメントした件ですが、捜査が進展し、重大な局面を迎えているようです。

県警は、親方や同部屋の力士ら関係者から、任意で事情を聴取。死亡前日の25日午前、斉藤さんは部屋を逃げ出そうとして兄弟子らに連れ戻された。こうした斉藤さんの態度に腹を立てた親方が、力士らとの夕食の席上、ビール瓶で斉藤さんの額を殴り、切り傷を負わせていたことがわかった。その後、けいこ場の裏手で兄弟子数人が斉藤さんを取り囲み、数十分にわたって殴るけるの暴行を加えたことも、親方らは認めているという。

以前の報道では「稽古中の事故」扱いされていて、私も、それを前提にコメントしましたが、場所が「夕食の席上」「けいこ場の裏手」(「けいこ場」ではなく)では、正当業務行為とは無縁な暴力による制裁として事件性濃厚、という印象を強く受けますね。当初、報道されていた「事故」態様が、関係者の口裏あわせによるものではないか、ということも、当然、捜査の対象になっていることでしょう。
記事によると、親方を傷害罪、弟子を傷害致死罪で、各立件する方針のようですが、親方と弟子の「共謀」関係も、今後問題になる可能性があります。親方からの具体的な指示がなくても、検察庁や裁判所が得意とする「黙示の共謀」といったことが認められれば、親方も傷害致死罪の共同正犯として取り込まれて行く、という可能性もあるでしょう。
傷害致死罪という重大な犯罪が問題となっている以上、関係者の一斉逮捕に至る可能性も高いと思います。

追記:

兄弟子が金属バットで暴行 時津風部屋力士死亡事件
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070926/jkn070926038.htm

親方はその際、兄弟子らに「かわいがってやれ」などと指示し、4人前後が斉藤さんを取り囲んで暴行。翌26日午前には斉藤さん1人を狙った執拗(しつよう)なけいこが行われた。この間に、兄弟子の1人が金属バットを持ち出し殴ったという。

この事実関係であれば、親方と弟子の間の共謀関係を認定するのは容易でしょう。傷害致死罪による立件で、親方(「親分」ではなく)以下が一網打尽になるという、前代未聞の事態が間近に迫っているようです。

大阪のステーキ店女性客拉致・乱暴、元店長に懲役12年

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070926-00000311-yom-soci

杉田宗久裁判長は「悪質さは同種事件の中で一際、抜きんでている。求刑は軽きに過ぎると言わざるを得ない」と述べ

杉田裁判長は判決で「飲食店のスタッフが食事中の女性客を襲った前代未聞の衝撃的な事件。女性の尊厳に対する配慮が見られず、極悪非道で、被害女性の屈辱感は計り知れない」と指弾。判決後には「厳しい判決だが、しっかり罪を償ってほしい」と諭した。

元店長、元店員とも、10年の求刑に対し、元店員は求刑通り懲役10年としたものの、元店長は、上記の通り指摘した上で懲役12年とした、ということです。2年違ったのは、犯行における役割等の差によるものでしょう。
この種犯罪に対し、検察庁以上に厳しい裁判所の姿勢が強く印象に残る判決です。