復帰請求 中坊公平氏、弁護士登録抹消から1年4カ月で

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070406-00000018-maip-soci

RCCは98年、多額の負債を抱えた大阪市の不動産会社の土地を巡り、抵当権を設定していた金融機関にこの土地の売買価格を低く伝え、自社の回収額を膨らませようとした。中坊氏は当時社長として回収を了承していたとされ、特捜部の事情聴取をきっかけに03年10月に引退を表明。懲戒請求の審査を経て05年11月11日、弁護士登録抹消請求と大阪弁護士会の退会届を受理された。

上記の問題については、山下先生による

http://www.siri.co.jp/~koyanagi/yamashita.html

が参考になります。
罪名を見る限り、起訴猶予処分になった2003年10月の時点では公訴時効が成立していなかったものの(検察庁としても、当然、時効成立前に処分を決定したものでしょう)、その後、公訴時効が成立し、現時点で、刑事での起訴はできなくなっているものと思われます。
起訴ができる状態であれば、一旦、不起訴にした事件であっても、その後の事情変更等により事件を再起(再び立件することです)して、起訴することも可能ですが、そういうことはもはやできない状況でしょう。検察庁としては、「やられたな」というのが率直な感想だと思います。検察庁としては、まさか、このようなことになるとは思わず、弁護士を完全に廃業すると信じて、その点も理由に起訴猶予にしたものと推測されますが、老獪な弁護士に一杯食わされましたね。
伊藤元検事総長の「だまされる検事」を思い出しますが、東京地検、それも特捜部が捜査していた事件で、このようなことになってしまっては、国民の納得は得にくいと思います。
今後の大阪弁護士会の対応が注目されますが、これで弁護士登録が認められるのであれば、大阪弁護士会は会員の逮捕者を続出させた上、弁護士廃業を装って起訴猶予処分を「騙取」した弁護士にも再入会を認める、何でもありの堕落しきった弁護士会、ということになりかねないと思います。
以前、本ブログで、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20041005#1096935321

とコメントしたことがありますが、このように晩節を汚すことは、中坊氏のためにも残念に思います。

仏AFP、米グーグルと和解 ニュース提供契約に調印

http://www.asahi.com/business/update/0407/JJT200704070002.html

AFPは2005年3月、グーグルが自社のコンテンツ(情報の中身)を無断掲載しているのは著作権法違反だとして損害賠償などを求めて提訴していたが、今回訴えを取り下げることで合意した。

最近、

AFPの写真ニュースをブログに引用 JUGEMなど11サービスで
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070405-00000001-zdn_n-sci

というニュースも流れていましたが、AFPは、自らのコンテンツを利用させず囲い込む、という方針を転換して、適正な利用を促進する、その中で対価も得る、という方向で進むことにしたようです。
どちらの方向で進むか、検討している人や組織にとっては、参考になるでしょう。

明石歩道橋事故、元署幹部ら2審も実刑…大阪高裁

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070406it03.htm?from=top

仲宗根裁判長は「署長が雑踏警備班の人員削減を命じた際、何の指摘もなく従うなど事故原因となる事情にかかわったことも見過ごせない」と述べ、事前計画を軽んじた姿勢を厳しく指弾。
さらに、「結果のすべてを被告らだけの落ち度に帰して責めを問うのは酷過ぎる」とし、人物は特定しなかったが、1審判決と同様に、当時の明石署長(64)や副署長(60)らの過失責任にも言及した。

この事件については

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060623#1151072202

でも言及しましたが、地裁だけでなく、高裁でも上記のように指摘されているほどの事件でありながら(不起訴になった署長などは、裁判所がここまで言っている以上、起訴されていれば有罪になった可能性が高いでしょう)、当初の判断に固執し、検察審査会の判断や遺族の願いもはねつけて、不起訴を維持し続けた検察庁の姿勢は、相次ぐ無罪事件以上に、捜査機関に対する国民の信頼を失墜させるものと言えるでしょう。
これだけ多数の死傷者が出た社会的影響も大きな事件でありながら、検察庁と警察が秘密裏に談合し、刑事責任の追及を現場の責任者程度で打ち止めにして(署長等の幹部の責任は不問に付して)幕引きを図ることで、警察組織自体の責任を隠ぺいした、としか見えません。トカゲの尻尾切り、という言葉がありますが、こういうことをやっていては、検事長会同で法務大臣検事総長が立派な訓辞をしても、国民の不信感は大きくなるだけです。

ヤフー、利用者メール449万2200通を誤消去

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070406i113.htm

私がヤフーに入ったのは2000年9月ですが、その頃のヤフーメールは、まだ「ベータ版」となっていて、その種のフリーメールは、他社のものも含め機能も多くなくメールボックスの容量も小さなものでしかなかったという記憶です。
その後、フリーメールが充実してきて、最近は、仕事の関係で受け取るメールでも、堂々とフリーメールで、ということが多くなりました。確かに、有料のメールサービスよりも、むしろサービスが充実しているものが増えていて、仕事で使うにも十分耐えるものになってきていると言えます。
そのような現状だけに、フリーメールのサービスを提供する側も、無料だから多少の不具合はやむをえない、といった安易な考えは持たず、社会のインフラを維持している、という重大な使命を自覚した上で、こういった事故がないようにすべきでしょう。

デンソー中国人技術者釈放 処分保留、データ横領事件

http://kumanichi.com/news/kyodo/index.cfm?id=20070406000210&cid=social

社員の自宅などから私有パソコンや記憶媒体を押収したが、破壊されたりしていたためデータのコピーや譲渡先の有無を確認する物証が得られなかった。地検は、起訴は困難と判断したとみられる。

先日、この事件について、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070319#1174275969

とコメントしたものを見た某新聞社の記者から、一昨日、電話で取材を受け、どうも起訴は難しいかもしれない、という印象を受けましたが、昨日、処分保留で釈放になった、とのことで、今後、起訴猶予になる見込みのようです。
上記の記者からは昨日も電話で取材を受け、一昨日、昨日と電話でいろいろと話をしたのですが、私が言ったのは、

1 情報の不正取得自体が犯罪に問われているのではなく、PCについての「横領」という、事件の本質を外したところで犯罪の成否が問題になっているというところに、そもそも事件としての限界がある
2 社内規定等で、社外へのPC持ち出しが禁止されていたとしても、自宅に仕事を持ち帰るためにPCを持ち出すことが慣行となって黙認されている場合もあり、「自宅で仕事をするために持ち出した」という供述がある場合、内規違反があるからといって、不法領得意思を直ちには肯定しにくいし、そういった行為を、即、横領等には問いにくい
3 PCの持ち出しについて、違法な目的以外のものも含まれている(少なくとも、そういう弁解をつぶしきれない)のであれば、物証等の客観的な裏付けも得られないと、起訴後の公判維持が困難かもしれないし、この種の外事・公安事件では、一般の刑事事件以上に、起訴・不起訴の判断時に証拠はシビアに見るものである

といったことでした。
あくまで推測にしか過ぎませんが、上記の1から3あたりに、処分保留となった理由があるような気がしています。

追記:

上記のコメントが、平成19年4月7日読売新聞社会面の、「デンソー事件 中国人社員の立件断念 起訴猶予へ データ流出解明できず」という記事の中で

公安事件の捜査経験がある落合洋司弁護士は、「(法適用には)企業が保有する機密情報の範囲や情報持ち出しの目的について、厳格な立証が必要で、立件へのハードルは極めて高い」とし、『情報の窃盗』を適切に取り締まることが可能な立法措置をとる必要がある」と指摘する。

とまとめられていました。
最後の部分は、「適切に取り締まることができれば」という条件付き、ということで、そのハードルにはかなり高いものがあるということを補足しておきます。

捜査資料、地検「死んでも出さない」 鹿児島12人無罪

http://www.asahi.com/national/update/0407/SEB200704060009.html

口裏合わせのやりとりは、朝日新聞が入手した県警の内部文書「鹿児島地検との協議結果について」に明記されている。文書は、一連の捜査を指揮していた県警捜査2課の警部から上司の捜査2課長にあてたもの。

こういう内部文書を、マスコミが入手できてしまうという鹿児島県警の「保秘」はどうなっているのか、あきれはてますね。
現在、警察では保秘は駄目なので検察庁で捜査してほしいと依頼中の事件があるのですが、やはり、警察の情報管理はデタラメで信用できないな、と思うしかありません。今度、検事に会う機会があれば、このことも言ってみようと思います。
それはそれとして、

協議は04年11月9日に鹿児島地検4階の小会議室で行われた。警部が公判に証人として出廷する直前で、その際の想定問答などについて打ち合わせるため検事2人と警部や刑事部参事官らが出席した。
特に問題になったのは、警察が容疑者や参考人の取り調べ時に供述内容の要旨などを書き残しておく「取調小票(こひょう)」の扱いだった。裁判で証拠とされる調書は、小票をもとに供述などを記したものであるケースがほとんどだという。
起訴事実は、元被告6人の「自白調書」をもとに買収会合は4回だとされていたが、捜査関係者によると、問題の小票には買収会合は「4回」「7回」「10回」のほか、さらに多数回開かれたなどと記録されている。これが公になると、すでに公判に提出していた調書や他の捜査員の証言と矛盾が生じることを当時の県警と地検は恐れていたという。
検事は小票について「死んでも(法廷に)出さないつもり」「心配なのは、小票が弁護団に漏れていないかどうかだ」「事実関係は調書の方が絶対であると(警部に)証言してもらう」などと発言。これに対し、警部は「小票が出たら、(事件が)飛ぶ」と述べ、県警幹部も「絶対に提出しないという方向性の堅持を」などと検事に依頼した。
結局、検察側が恐れていた弁護側からの証拠開示請求がなく、小票は公判に提出されなかった。

検察官の「当事者」性が、悪い方向で思う存分に発揮されてしまった例、と言えるでしょう。
上記の「小票」が出ていなくても、警察官調書や検察官調書のレベルで、既に、関係者の供述が大きく変遷し、また、相互に矛盾していたようですから、小票なるものを出しても出さなくても結論には影響しなかったと思いますが、獲得出来もしない有罪判決に未練がましく固執する検察官の姿勢が見苦しく、これが公益を代表する者の姿なのかと、哀しさを感じます。
公判対策のために、検察・警察が相互に協力、連携すること自体は悪いことではありませんが、犯罪をでっち上げ、公判を無用に長引かせ、関係者に無用の負担をかけるものであれば、やらないほうが良いでしょう。
検察庁や警察の、非常にあざとく、危険な側面がよくわかるニュースだと思います。

追記:

<県議選買収>鹿児島県警と地検 捜査資料不提出を“約束”
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070407-00000056-mai-soci

によると、例の「踏み字」について、

警部が「自白を得るための手段と言えばそれまで」「結果的には有形力の行使と言われても仕方ない」などと発言。検察側は「今の考えは絶対に言わない方がいい。自白をとるためと結論付けられ、(係争中の)国賠(国家賠償請求訴訟)にすごい影響を与えかねない」と述べていた。

とあり、検察官が「偽証教唆」まがいのことまでやっていて、有罪判決も獲得できない事件で余計なことばかり言ったりやったりする検察官には、あきれるばかりです。
捜査機関が次第に「自滅」する中で、裁判員制度が華々しくスタートすることになりそうですね。

ベッカムの盗難車が政府公用車になってた

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070407-00000051-nks-socc

06年1月にマドリード市内で盗難され、スペイン国内で20回ほど名義を替えられた後、ギリシャ経由でマケドニア入り。防弾仕様とあって内務省の女性大臣ヤンクロフスカ氏が使用しているという。

以前、海外から日本へ運び込まれて売りさばかれた盗難車について、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070111#1168474975

とコメントしたことがありますが、国際的な盗難車流通の「闇の」ネットワークが張り巡らされているのでしょう。
上記のエントリーで指摘した法令解釈等における整備の必要性を、改めて痛感させられるニュースです。

ベッカムの愛車、盗まれる
http://response.jp/issue/2005/1102/article76046_1.html

<公務員配転>省庁越え3000人 職場定着へ汗だくケア

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070407-00000064-mai-pol

大規模な配置転換は定員の5.7%に当たる1万8936人を純減させる政府の計画に伴うもの。新規採用を抑制し、人員が不足する省庁には10年度までの4年間に農水省などから配置転換して補う。

私が平成元年に検事に任官して、東京地検で新任検事生活を送っていた際、公判部で立会事務官についてくれた人は、鉄道公安官(旧国鉄にあった組織で、現在の鉄道警察隊)出身でした。国鉄民営化に伴い検察事務官になった人で、派手さはないものの、仕事がよくでき、よく気がつき、まだ仕事の要領がよくわかっていない私ともう一人の新任検事の面倒をよく見てくれていたことが思い出されます。
上記の通り、かなり大量の人が動くということで、受け入れる側も大変だと思いますが、おかしな排他性を発揮したりせず、温かく迎え入れてほしいと思います。

ライブドアHD、ヒルズから赤坂ツインタワーへ移転

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_04/t2007040636.html

赤坂ツインタワーへ移転では、あまり経費節減にならないような気がしますが、やはり、それだけ六本木ヒルズは家賃が高い、ということなのでしょう。
村上ファンドが去り、ヤフー(一部は残っていますが)が去り、今後、楽天ライブドアも去って行く、ということで、世間を騒がせた、短い「六本木ヒルズ」の時代も1つの終焉を迎えた、ということでしょう。

司法書士なのに… フラれた女性との婚姻届を勝手に提出

http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070407/jkn070407006.htm

容疑者は昨年末、女性に交際を断られてから、無言電話をかけたり、復縁を迫るメール便などを送りつけるなど、女性へのストーカー行為を繰り返していた

異性関係というのは、追えば追うほど、かえって相手が逃げて行く、という傾向があるような気がします(個人的な経験というよりも仕事で得た経験等に照らし)。特に、相手が女性の場合は、上記のようなしつこい行動をとればとるほど嫌われることは確実でしょう。

私が手がける業務の概要

私が業務で取り扱っている主な分野は、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/about

にある通りですが、最近、いろいろな方から、そういったことについて聞かれることが多いので、ちょっと説明しておきます。
本ブログは、自分自身の現在の仕事のことは、あまり取り上げないことにしているのですが、本ブログをご覧になっている方が多いようなので、ここに記載しておきます。
1 刑事事件全般(被疑者・被告人弁護、告訴・告発、被害者保護等)
私自身、11年5か月の間、検事をやっていましたから、刑事事件については、いろいろな分野を経験しています。弁護士になった後も、刑事事件は継続的に受任しており、どのような事件であっても対応は可能と思います(私一人では物理的に無理、といったことはあり得ますが)。
2 名誉毀損、プライバシー侵害等の人格権に関わる紛争
検察庁を辞めた後に入ったのがヤフー株式会社であったため、掲示板、ホームページ、検索等に関わる名誉毀損、プライバシー侵害等の案件を検討する機会が非常に多く、最近も、いろいろなご相談を受けています。本ブログをご覧の方であれば、私自身が人格権全般にかなり興味を持っていることがおわかりでしょう。
この種の紛争については、訴訟による解決だけでなく、訴訟外の交渉等による解決を目指す場合もあります。
3 組織内の不祥事(横領・背任、情報漏洩等)
この分野も、よくご相談を受けることがあります。こういった不祥事案については、刑事面での検討も欠かせませんし、最も望ましい解決策は何か、ということを、様々な利害等を勘案しながら慎重に模索すべき場合が少なくありません。手前味噌になりますが、私の場合、「事件」には慣れているということもあって、こういった関係でご相談があれば、即、動いて、ということになる場合が少なくありません。
4 コンプライアンス法令遵守
一口に「コンプライアンス」と言っても、我々のような弁護士が貢献できることには大小様々なものがありますが、組織におけるコンプライアンス体制の確立(事前のコンプライアンス)、コンプライアンス違反の防止やその対策、コンプライアンス違反が発生した場合の対応(事後のコンプライアンス)といった各局面において、助言や各種ルールの作成などでご協力しているような状況です。
5 インターネット上の各種紛争
先月末までの6年7か月間、インターネット上の様々な紛争を目にし、訴訟等にも関わってきたので、これも、主要な取り扱い分野になります。上記2と併せて問題なることが多い分野です。
ご相談を受けていてよく感じるのは、もっと早く言ってもらえれば、より良い解決策があったのに、ということです。紛争の内容にもよりますが、早期に、その種類の紛争に慣れた専門家が適切に介入することで、大事に至らなかったり、前向きな方向での解決に至る、ということは、やはり多いと思います。
そのような意味で、多少なりとも皆様のお役に立てれば、ということで、日々、業務を進めているような状況です。