連休の過ごし方

来年初めに、都内の別の場所へ転居する予定になっている関係で、連休初日は、その準備のため外出するなどして過ごしました。
連休2日目は、控訴審から受任した刑事事件(全面否認の事件)について、記録を読みながら控訴趣意書を作成する作業を一日中行っていました。既に一通り記録は読み込んでいますが、休日で電話がかかってきたりしない状態でないと、特にこういった事実関係に争いがある事件の控訴趣意書を集中して作成することは困難です。改めて記録を丹念に読み込みながら、主張を整理しつつ控訴趣意書を作成して行きました。集中できたため、夜までにほぼ9割方完成し、連休3日目を半日ほど費やせば完成するところまで何とかこぎつけました。
気がつくと、このブログのアクセス総数が100万を超えていました。これからも、日々勉強を心がけながら、淡々とブログも続けたいと思っています。

森永ヒ素ミルク事件から50年、被害者守る会など式典

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050918i214.htm

森永乳業の古川紘一社長は「事件を一生背負うべき十字架ととらえ、全社挙げて責任を果たしたい」と改めて謝罪。守る会メンバーが「二度と悲惨な事件が起きないよう、力を尽くす」と誓いの言葉を述べた。

最近、雑誌で、確かこの社長さんだったと思いますが、インタビューに答えている記事を読みましたが、事件に対する反省や、この種事故の再発防止を社是としていることなどを淡々と語っており、この事故に多くを学んでいるなと感じた記憶があります。
森永グループの中に、乳業と製菓があるようですが、森永製菓と言えば、思い出すのは「グリコ・森永事件」ですね。製品への毒物混入の恐れから、店頭での販売が困難となり、同社の社員が製品を直接売り歩いたり(泣きながら売っている社員がいた、というニュースが流れていて、非常に同情した記憶があります)、そういうこともあって支援の輪が広がり、学校などで森永製品を集団購入するといった動きもありました。
なぜか、事件・事故に縁があるグループなのかもしれません。

http://www.morinaga.com/top.html

「森永」で、ヒ素ミルク事件から話がとんでしまいましたが、グリコ・森永事件については、以前、

闇に消えた怪人―グリコ・森永事件の真相

を、非常に興味深く読んだ記憶があります。警察が、かなり真相に迫ったにもかかわらず、あと一歩のところで詰め切れなかったのではないかという印象を強く受けました。

再審決定への異議に反論 毒ぶどう酒事件で弁護団

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005091500218&genre=D1&area=Z10

先日、書店に行ったところ、品切れになっていた

名張毒ブドウ酒殺人事件六人目の犠牲者―六人目の犠牲者

が、この事件の再審決定を受けて店頭に並んでおり、早速購入して、今回の再審決定に至る経過の部分を少し読んでみました。
弁護団が献身的に努力することによって、確定判決の証拠構造が次第にゆらぎ、遂に崩壊して再審決定に至ったことが紹介されていました。
最終的に再審、無罪になるかどうかはわかりませんが、ここまでこぎつけた弁護団の努力は、本当にたいしたものだと思います。

覚せい剤汚染、政治家も 

http://www.asahi.com/national/update/0919/TKY200509180193.html

情けない話ですが、それだけ薬物汚染が広く蔓延しているということが言えるでしょう。
薬物犯罪や犯罪者は、かなりの数見てきましたが、薬物に手を染めて幸せになったという人は皆無です。薬物に関わることで、健康を損ない、人間関係を損ない、お金も失い、破滅へ向かって坂道を転がり落ちるように突き進んで行くことになります。常習的な薬物使用は、人間性や人格も悪化させます。
関わっている人は、今すぐ、意思を強く持って断ち切りましょう。

AKの思い出

コメント欄でも少し触れたが、私は、平成7年に、オウム真理教による武器等製造法違反事件の捜査に関わっていた。
この事件は、オウム真理教が、ロシアのAK74という自動小銃AK47よりも口径を小さくしてより多くの弾薬が持ち運べるようにしたもの)を、自分たちの手で製造しようとして(1000丁程度製造しようとしていたという記憶である)、結局、1丁か2丁程度の試作銃(発射機能はあったと公判でも認定されているはずである)を製造しただけで終わったというものであった。
その時思ったのは、こういった銃が数多くの部品から成り立っていることや、単に部品を作って組み立てれば良いといった単純なものではなく、安全性が高い機能を継続的に備えるためには、非常に高度の技術力が必要であるということであった。
オウム真理教の信者は、組織として相当のお金をかけ、多大な労力をかけたにもかかわらず、上記のような結果に終わっており、取調べの際、冗談で、「作るよりロシアで買ってきたほうが早かったのではないか。」という話をして、被疑者と一緒に笑った記憶がある。
毎日、AK74の話をするので、書店でAK全般に関する本を買ってきて読んでいた。そういうこともあって、なんとなくAKに愛着が生まれてしまった。
最近、朝日新聞で、AKの開発者であるカラシニコフや、AKが戦争、紛争の際に使用されている様子などをレポートした記事が出ていて、一部、書籍化もされているが、興味深く読んでいる。なかなか読ませる記事なので、朝日新聞を読む機会がある方にはお薦めしたい。

カラシニコフ

中央青山理事長ら聴取=金融庁への報告経緯ただす−カネボウ粉飾決算・東京地検

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050919-00000039-jij-soci

同法人の内部審査体制に加え、報告をまとめた経緯もただしたとみられ、国への虚偽報告を禁じた公認会計士法に違反するかどうか慎重に調べを進めている。 

今年の5月に「粉飾はなかった」という内容で金融庁に提出した報告書が、虚偽とわかった上でのことだったのではないかが問題となっているようですね。
わかった上でのことであれば犯罪、わけもわからず提出していれば無責任そのもの、ということで、いずれにしても厳しい状況に追い込まれていることは間違いなさそうです。

ダイエー創業者、中内氏が死去

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050919-00000103-yom-bus_all

この人には、栄光と挫折、という言葉がふさわしいでしょう。栄光の日々があっただけに、挫折後の晩年が寂しいものでした。
ご冥福をお祈りします。

中内功氏死去>栄光と挫折の人生 ひっそりと旅立つ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050920-00000017-mai-soci

<サザエ密漁>罰金払う金なく、50日間拘束の“温情判決”

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050919-00000016-mai-soci

男が「20万円を払うだけの金がない」と言ったため、「本来なら略式命令で済むのに、逮捕から50日余りも身柄拘束されていたから、この間1日5000円の計算で既に罰金を払ったものとみなす」と“温情判決”を出した。男は釈放された。

こういった取り扱い自体はやむをえないと思いますが、「温情判決」というのは、ちょっと違和感がありますね。
罰金相当事案の場合、被疑者に異議がなく、罰金を納付する資力があれば、略式手続にするのが通常です。しかし、被疑者に異議がなくても、資力がなく罰金納付が見込めなければ、勾留のまま公判請求し、罰金刑にしてもらった上、裁判所が未決勾留日数を罰金刑に充つるまで算入する、ということも時々あります。そういう結果を見越して公判請求しているわけですね。
結局、身柄を拘束されて体で償っているわけですから、こういった取り扱いを「温情」と言うのは、ちょっとどうかな、何か変だな、という気がします。